第二章
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のである。
「見れば今は。何処だ」
「あ奴といいますと」
「楽昌だ」
この名を出したのである。杯の動きも止まっていた。
「あ奴がおらぬ。何処へ行ったか」
「楽昌様といいますと」
「陳を滅ぼした時に手に入れたあの女だ」
「ああ、あの方ですね」
周りの者達もここで気付いた。
「あ奴がおらんではないか」
「用足しでしょうか」
「探せ」
ここで楊素は周りの者達に命じた。
「どうも気になる。よいな」
「探されるのですか」
「そうだ。わかったな」
「はあ。それでは」
「行くとするか」
「うむ」
周りの者達は主の思いも寄らぬ強い言葉に顔を見合わせたがそれに従った。こうして彼等は広い屋敷の中をくまなく探し回った。そして遂に彼女を見つけ出したのである。
すぐに主にこのことを伝えた。彼は宴の主の場でこのことを聞いていた。
「して何処にいたのか」
「厨房の裏でございます」
「そちらにおられました」
「厨房のか」
それを聞いた彼の目が鋭くなった。そしてさらに家の者達に対して問うのだった。
「それではだ」
「はい」
「誰と一緒であった」
「誰かとは」
「当然だ。何故厨房の裏なぞにいた」
彼はその鋭い目で家の者達に対して問うのであった。
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