彼と暴力事件
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りブッ飛ばされた。
眼下を望むと、彼女らのいた地面は愚か周りの地面もぶっ壊れている。
それでもうるちの脚は地面にくっ付いて離れない当たり『ネフィーラ』の効力の強さを思い知らされるが……組は自分の魔圏の効力よりもこの惨状よりも……この状況を作り出した海童本人が何処に居るのか必死に顔を動かして探る。
と、頭上に影がさし、嫌な予感を感じて顔を上げてみると―――いた。
「よお」
「!!??」
彼女のすぐ頭上に、拳を振り上げている海童が。
「確かに俺の力はまだ未熟だ、使い様じゃあ人の体が木端微塵だし、加減した物打ち込もうにも地上じゃ碌に動け無くて、遠距離で放っても動ける相手の思うつぼだ。けど―――――空中ならお前も避けようがないよな?」
「あ、あぁああ!!??」
更に言うなら、組の『ネフィーラ』の力“敗者の末路”を組は自ら蜘蛛の糸の如くと例えた。
しかし忘れてはいないだろうか……例え千切らずからまる蜘蛛の糸でも、巨大な力を受ければ、それこそ、自然級の力を受ければ、今この状況の様に脆くも千切れ去る事を。
「おらああっ!!!」
「ごぼぉ!?」
衝撃波の殆どを空中での加速に使い、海童は遠慮一切無しに拳を叩き込み、地面へぶつけて軽く人型のクレーターを刻んだ。
瞬間動作が自由になったのを感じ、海童とうるちは地面に無事着地する。
そして組をクレーターから剥がして無事を確認し、溜息を吐いた。
「ふぅ成功だな」
「ホント無茶苦茶やってくれるわね……周りがボロっボロじゃないのよ」
「しょうがないだろ、アレ以外移動できる方法が無かったんだから」
「まあ、状況的にはそうかもしれないけど……」
すると、此方に走ってくる足音が聞こえ、二人はその方向へ視線を向ける。
「だ、大丈夫二人とも!? なんか凄い音がしたけど……」
「せ、先輩!」
「……ハル姉」
先程の間欠泉もどきの所為で起きた大きな揺れの震源を察知したか、春恋が建物の影から現れたのだ。
「わっ!? 網緒さん!? 地面にめり込んじゃってたの!? クレーター出来てるし!?」
「先輩、彼女が犯人だったんです。ここ最近の暴力事件の」
「うそ……こういう卑怯な事を何よりも嫌う人だったのに……何で……何で?」
「わからねぇ。それこそ本人に聞くしかないだろ」
春恋が心底驚いていた事から、組は本当はこういう事を憎む人間だったのだろう。ならば余計に、何故こんな事件が起きたのかが分からなくなってくる。
「それにしても……」
春恋はこの件は後に回すことにしたらしく、溜息と主に
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