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滅ぼせし“振動”の力を持って
彼と暴力事件
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お仕置きの時間と行くか―――ながっ!?」



 組がヨーヨーを放つべく手首を曲げた瞬間、大きな衝撃波を受け思いっきり吹き飛んだ。



「うぐっ……何が……?」
「大山君……」

「まあ、動けなくても攻撃は出来るわな」




 余裕ある表情で海童が言うが、実は今の一撃は威力が集中した場所を外して余波だけで吹き飛ばしただけものであり、威力は未だコントロールできないので迂闊に打てない模様。

 しかし、それ自体は悟られなかったようで、組はうるちから目を外し海童を睨んだ。



「ちょっとなめてたよ、まさかそんな攻撃手段があったなんてね」
「応用法を考えれば他に幾らでも出来るからな」
「へぇ……中々やるみたいだね、エレメント量だけで判別しちゃダメってことか」



 ヨーヨーを直接放たないのを見るに、組の魔圏『ネフィーラ』は効果こそ厄介な部類にはいるが、恐らくマケンそのものの攻撃力はさして高くはないのだろう……むしろ低い部類かもしれない。
 先程うるちに攻撃を仕掛けた際にその威力を身をもって知っている為、迂闊に動けなくなっているのだ。



「おおおおっ!!」
「ちぃっ!」



 続けて飛ばされてて来た衝撃波を、組は側転の要領でかわし、『ネフィーラ』での攻撃を遂に行った……が、海童の予想通り攻撃力は点で大したものじゃあなく、又も衝撃波に弾かれて終わった。


 放つ、避ける、抉る、躱す、叩きつける。


 それらの攻防を十回に届きそうな数行った時、不意に組が動きを止め不敵に笑った。



「……動かなきゃこっちの勝ちだぜ」
「そうかな?」



 何にせよ的が止まっているなら狙いを定めやすいと、海童は今までと同様に衝撃波を放った。


 吹き飛ばせるか、海童はそう思った途端―――――



「フ」
「!? やべっ!」



 組は何を考えたか衝撃波の余波が当たる部分では無く、破壊力の大本が存在する部分へ自分から飛び込んで行ったのだ。

 海童は慌てて連発し最初の分の威力を落として組を吹き飛ばすにとどめたが、肝心の彼女は狙い通りとばかりに笑っている。



「やっぱりね。確かに君の力は強い。それこそそこの女子生徒以上に、一年とは思えないぐらいだ。けど……まだ完全に制御出来ている訳じゃあないんだろう? その証拠に私に衝撃の本体が当たるのを避けていたみたいだからね」
「……ぐ」



 自分の力の秘密の一端を組に知られ、海童は呻いた。最早隠す事も出来ない、完全に見抜かれている。

 何発も放てば見抜かれるとは、海童も予想してはいたが、まさかそれを利用して攻撃するのではなく、自分から突っ込んで行くとは考えもしなか
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