彼と暴力事件
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、敗者の末路!!」
組がそう声を上げて二人を指差した瞬間彼女の手にヨーヨーが現れ、彼等は自分の体にある変化が起こったのを感じた。
「な、なに……? 脚が!?」
「動か、ねえ!」
何時の間にやら足の裏に、瞬間接着剤でも仕込まれていたが如く……海童とうるちの足が地面にひっ付き、一歩も踏み出せなくなる。
間違い無く、魔圏によるものだ。
蜘蛛の巣にとらわれたとも形容できるそんな二人に、組に笑みを浮かべて余裕を見せた。
「ふふふ、見事にかかったね……アタシの魔圏『ネフィーラ』のテリトリー内で名前を呼ばれたら、動けなくなっちまうのさ。更にあがけば足掻くほ―――どっ!?」
「確かに驚きはしました……けど今は、アナタの力に興味などありません」
説明しようとしていた組の口上を遮る様に光の矢が通り過ぎ、うるちは言いながら自分の左上腕に腕を添える。そこにはマケンであろうモノが付いていて、そこから光に矢を生み出しナイフの様に指で持っている。
「私が聞きたいのはマケンの事では無く……アナタが犯人か否か、それだけです!!」
うるちは下段に腕を構えると、勢いよく振り上げた。
「これが私の魔剣『ペルセウス』の―――消えゆく星の輝き!」
「ちぃっ!」
投げ付けられた光の矢……否、光の短剣を、組は大きく回避する。だが避けられたと思った瞬間にうるちが指を振ると、光の短剣達は弧を描いて戻ってきたのだ。
「操作可能の代物ってわけかい!」
「その通り。エレメントが尽きぬ限り、何処までもどこまでも追い続けますよ!」
やはりというべきか、執行官に選ばれるだけの力を持っていたらしいうるちの力を見て、しかし海童は自分の力の派手さと出鱈目さ所為で、素直に驚けなかった。
(微妙では……無いんだがなぁ……)
そんな微妙な心境で、破壊力ゆえ手が迂闊に出せない海童は戦いを眺めている。追い続ける矢を回避できる組の能力も見事な物だが、それも時間の問題と思われた。
「へぇ、一年ながらやるもんだ。けど……先輩の話はちゃんと最後まで聞くもんだよ?」
「なに……をっ!?」
再び回避された光の短剣を迂回させようとうるちは腕を振るが、殆ど動かず光の短剣はあらぬ方向へすっ飛んで行って消えてしまう。
更に、脚どころか体全体が動かなくなっているうるちを見て、組は呆れを含んだ声で言った。
「言おうとしてたんだけどねぇ……足掻けば足掻く程に、蜘蛛の糸が絡まる様に『足以外も動けなくなる』ってさ。……さて、それじゃ
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