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日向の兎
1部
9話
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手裏剣を叩き落とす。
私が避けるとでも踏んでいたのだろう、彼の表情に驚きの感情が浮かんだ。
とはいえ、それで動きを止めるほど彼も愚かではない。即座に印を結び何かしらの術を発動させようとするが、そんなうちはの代名詞のような術など書で読み尽くしている。
「火遁 豪火球の術!!」
「水遁 弁財天の舞」
今回は相手がうちはということもあり、着物の裾に合計4Lのペットボトルを入れておいた。その全てを使っての弁財天の舞だ、いくら天才と言われてもアカデミーの生徒のチャクラ量ではこの水を全てを蒸発させるのは不可能だ。
そもそも、火遁で水遁を押し切ろうと思えば水遁の術者の数段上のチャクラが必要だからな。総チャクラ量で言えばサスケの方が上だが、相性をひっくり返せる程の差はない。
加えて言うならば、私の術はそこにあった水をチャクラで覆う事で様々な機能を持たせているのに対し、サスケの術は自らのチャクラを炎に変換させた上でそれを制御する事で放っている。要するにチャクラの消費量が彼の術は私のものより遥かに多いのだ。
結果として、サスケのチャクラ量と私のチャクラ量はほぼ等量とまで言える状態になった。
「どうした、この程度か?」
「まだまだ!!」
ふむ、ワイヤーを使っての先ほど弾いた手裏剣の擬似的な遠隔操作か……死角からのいい攻撃だが、この白眼に死角などない。
流石に飛んでくる手裏剣を掴むのは危険なので、ワイヤーを掴むとしよう。
「捕まえたぞ」
「なっ!?」
先程のやりとりから私に近距離戦を挑めばどうなるかは察せているようで、サスケは焦るこそすれど冷静にワイヤーを外して再び距離を取る。
むぅ、白眼で捉えられるサスケのチャクラ量から考えて、先程の火遁は残り二発……いや、残りのチャクラを全て使えば三発か。少々残りの水の量では不安があるものの、遠距離での向こうの手は大体対処できるな。いざとなれば水にチャクラを継ぎ足せば、防御性能は十分に補えるのでな。
とはいえ、防戦一方というのは気に食わないな。……少し苛めてやるか。
「おいおい、どうした天才?もう少しお姉さんの傍に寄り給えよ、男だろう?
それとも逃げて……逃げて……無様に生にしがみつくのが君の矜恃なのか?」
その直後、サスケの眼に変化が生じた……私と同じ赤の瞳に加えて黒の勾玉が一つ、あれが写輪眼か。先程の言葉のどこかに反応したのかは何となく察しはつくが、逃げるという単語か生にしがみつくかは分からんな。いや、後半全部かもしれんな。
どちらにせよここからは先程よりは幾分楽しめそうじゃないか。
サスケはその眼で私を捉えたまま、苦無を逆手持ちにして格闘戦を挑んでくる。彼からは敵意ではなく殺意がひしひしと伝わってくるな……ならばそれに応えるとしよう。
まずは苦無を持たない手で打
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