暁 〜小説投稿サイト〜
仮想空間の歌う少年
20ー癒すための12発目
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洞窟に着くとシノンはへたへたと倒れ込んだ。
…。

「怖いよ。佳。」
「大丈夫。シノン。」

リアルネーム聞かれたら大変だがいまテレビに映ってないだろう。僕はそっとシノンに寄り添って支える。2人並んで座る。…今日の朝もやったはずなのになんか久しぶりに感じた。
そうするとシノンは僕に体重を預けてくる。

「…現実と同じでやっぱり優しいね。スノーは。」
「そうかな?」
「そうよ。…やっぱりほっとする。スノーが…佳がいるのは。」

そうやってだんだん落ち着いてきたのだろう。さっきとは違い、だんだんと呆然としていた表情から戻ってきた。だけどまだ震えている。

「私はね。あの日以降佳がいなくなってね。私はね…1人だったんだ。…人殺しの片棒を担いだんだもん。しょうがないわよね。」
「…。」
「でもたまたま佳のお父さんに会って…そしたら佳。ナーブギア被って2年も寝てたんだもん。びっくりしちゃった。だから…。」
「詩乃…。」

そうすると、シノンは泣きそうな顔で。

「だからもう嫌なの…。あんな…風に殺される様な想いをするのは…。」
「…。それは大丈夫だよ?」
「えっ?」

僕はそんなシノンをそっと見ながらシノンの手を握りある歌を口ずさむ。

「……………………………………………………………………………………………♪」

本当は女性シンガーの歌なのだが構わずオク下で歌う。その優しい歌声はシノンを包むようにして響く。

「約束…。詩乃を守るって誓うよ。」

僕はこの曲の様に約束をする。…ちょうど空も雲に覆われているが赤みがかかっている。

「やっぱり…優しいよ。歌声も。」

その歌が終わるとシノンの震えが収まっていた。

「落ち着いた?」
「うん…。なんとか。」
「それは良かったよ。」

僕は立ってぺこりと礼をする。

「僕の歌は天下一品ですから♪」
「それは余計よ。」
「さーせん。」

シノンのいつもの的確なツッコミが飛ぶ。僕は謝りつつも笑顔で話を変える。

「さて、あのボロマント…もとい死銃はこれで安心!スノードロップの死銃対策講座を始めようか!」
「…え?」
「さっきのキリトとの戦いとシノンに向けた死銃で僕は現実世界で人が死ぬのかが分かりました!」
「なんかタイミングが違うわよね…?」

シノンがポカーンとする中。僕は少し深刻な顔する。

「このナゾは簡単だよ…!答えは…。」
「ごくっ。」
「CMの後で。」
「吹っ飛ばされたい?」
「すみませんでした。」

この至近距離でシノンがへカートを構える。
僕はまだ死にたくない。

「だけどシノン落ち着いて聞いてよ。…これは本当にヤバイ話
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