第二十三話 エックスSIDE8
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れ、辺りは無惨な有様。
掘り起こしても多分、何も出ないだろう。
出るとしたらレッドを思わせる残骸だけ。
ルイン「アクセル…」
エックス「……」
涙を流すルインの肩に手を置きながら、エックスはアクセルの小さな背中を見る。
エックスはゼロに視線を遣る。
ゼロもまた、どこか迷っているような顔をしている。
この先に居るであろう敵。
その正体に、エックスもゼロもルインもおおよその察しはついていた。
根拠などない、経験からの直感。
しかし、最も大切な存在を目の前で失った少年の心は、言葉では言い表せないほど深く傷付いているはず。
今の彼に、声をかけるということ自体憚られた。
今のアクセルは悲しみに沈んでいるだろう。
自分を責めているかもしれない。
しかし、それでも…。
ゼロ「アクセル…俺には慰めの言葉すら見つからん…だが、俺達はここで立ち止まるわけにはいかない」
その言葉にルナはゼロに食いかかる。
ルナ「お前…っ、その言い方はないだろうがっ!!アクセルは…アクセルは目の前で育ての親を失ったんだぞ!!」
次にルナは俯いているエックスとルインを向く。
ルナ「今こんな状況で何が出来る!?どう考えたって一時撤退だろうがあ!!」
ルイン「………」
ルナ「何とか言えよおい!!」
叫ぶルナにエックスが彼女の肩に手を置いた。
エックス「…ルナ、大切な人を失うというのは身を斬られる程の苦しみだ…。それくらいは、俺にも分かる。」
ルイン「確かに今はアクセルを休ませてあげたい。レッドの残骸を回収して弔ってあげたい…でも、それで私達が満足しても意味がないんだよ。」
ゼロ「レッドアラートのリーダーであるレッドが倒れた今、クリムゾンパレスの頂上に向かうことは容易いだろう。いわばこれは俺達に訪れたチャンスでもある。」
ルナ「だ、だけどよ…」
アクセル「行こう」
ルナ「え…?」
アクセルを見遣ると儚い、けれど吹っ切れたような表情を見せていた。
アクセル「“センセイ”をやっつけなくちゃ…」
ルイン「…でも、少し休憩しようか……」
エックス「そう…だな」
3人は2人から少し離れた場所で休息を取る。
ルイン「大丈夫かなアクセル……」
アクセルがそんなに弱いとは思ってはいない。
しかし、まだ十代前半の子供が育ての親の喪失に耐えられるかどうかは断じて否である。
エックス「さあ、どうだろうな…」
ルイン「なんかエックス冷たいよ?」
不安そうにエックスを見遣るルインだが、エックスは苦笑を浮か
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