暁 〜小説投稿サイト〜
ペルなの
10.デバイス
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話

『是』

無口な質らしく口数少なく『ツクヨミ』が答える。

彼女は口調こそは似つかないがその無口な感じにどこか好感をもった。 

「そしてアームドデバイス『イザナミ』ですが、カードリッジシステムを組み込んではいますがデバイスとしての機能を最小限にし、純粋な武器としての特性を強くデザインしました。特に耐久性は通常のアームドデバイスの倍近くはありますよ」

「んん?でも武器なら自前のがありますし、このイザナミってデバイスはあまり必要は……」

「あ〜、無海さんの薙刀は確かに一級品ですが、武器所持規制を初め諸々の規制やらなんやらあってアレを常時持ち歩くのは無理があります。機動六課は緊急時での出動も多いですし、その都度武器を取りに行くのは現実的ではありません。でもアームドデバイスならその武器規制にも引っ掛かりませんし、管理局で嘱託登録してるなら改めて許可を得る必要もなく、いつでもどこでも気軽に持ち歩けます。それにカードリッジシステムをツクヨミからオミットしてイザナミにその役目を丸投げする事で、アームドデバイスに比べてどうしても耐久性が低くなってしまうインテリジェントデバイスの問題を緩和してあるんですよ」

「つまり二つのデバイスは各々役割分担されてるって事です。それにデバイスの機能を最小限にって言っても大規模魔法とかが使えないだけでシューターやバインドとかは普通に使えますよ〜」

「成る程」

実際、この世界で意識を得た初めの時に抜き身の薙刀の扱いをどうするか悩んだ彼女は確かに便利と頷く。

昔、交番で武器や防具を大量に売り買いしてた時の人目が痛かった記憶もそれに拍車をかける。

更には魔力ブーストの機能も付いてるなら、武器としての性能差はともかく使い勝手はイザナミの方が良さげに思えた。

だが一つ不満というか疑問というかをあげるなら……

「そう言えば何で日本神話の神様の名前なんですか?」

「ニホンシンワ?」

「それはアレや。ウチらの出身世界の日本って言う生まれ故郷にある神話やな。ウチも詳しくは知らへんけど、確かにそんな名前の神様が居た気もすんなぁ」

はやて達が日本神話のうろ覚えな話題に夢中になる中、彼女は一人思考に耽る。

(偶然、か。でも、“ツクヨミ”に“イザナミ”か……)

黄泉を治め一日に千人を殺す神である“イザナミ”とその夫の目から生まれた月をシンボルに持つ神“ツクヨミ”。

彼女のペルソナにこの神々が下地となったのは無いが、神々が持つ意味合いは彼女のルーツとかつての終着点と深く関係のあるもの。

自然と彼女が身に付け、握るそれ等は、本来の重さ以上の重さを彼女に感じさせた。


[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ