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lineage もうひとつの物語
冒険者
ウォレス
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る最中じゃろうて」

自然にできた穴なら整備しないと行き来は難しいだろう。
モンスターのいる場所での工事となるからには時間がかかるのは納得できる。

「なるほど。では1000アデナ用意しておけと言ってたのは工事費用ですか?」

「その通り。採算が取れるまでは通行料として支払うことになるじゃろう。先に潜れる特権を買うと思えば安いもんじゃ」

「では出発は後日ですね?」

エレナは空になった紅茶のカップを弄びながらガンドに問う。

「明後日あたりでいいじゃろう。それまでは休養じゃな。ワシは一度生活費を渡しに嫁に会ってくるとしよう」

「「「ええええええええええええええ!」」」

3人の悲鳴に似た驚きが挙がる。

「奥さんおられたんですか?」

アーニャが真っ先に食いつき質問攻めにしている。

「ああ、ハイネにな。子供もおるぞ。言ってもおまえさん達と同じくらいになるがな。」

「ハイネに寄ったとき一言も言わなかったじゃん。もしかして夜な夜な出かけてたのって酒場じゃなくて帰ってたの?」

聞くところによれば奥さん、長男と長女の4人家族。
ハイネで暮らしており息子と娘は働いているらしい。
父親がこんなところをフラフラしていてもいいのか?と疑問もあるが生活費は渡しているのでそれなりにうまくいっているのだろう。

「そうじゃ、おまえらも来るか?ご馳走してやるぞ」

家族に興味があった3人はその一言に大いに賛同しハイネへと向けテレポートしていった。

突然お客を連れて帰ったガンドが奥さんにこっぴどく怒られたのは言うまでもない。



ガンド家にて一泊した翌日の夕方、ホワイトナイツはオアシスにて情報を集めつつアリ穴探索の準備をしている。

「出発は明日の夜明。北東のアリ穴を目指す。再度確認するぞ。穴の中では坊主が先頭、その後ろにお嬢ちゃんとエレナちゃんが並び最後尾にワシが立つ。一度新フロアの手前で情報を集めるとしよう」

焚火を中心に座るメンバーはガンドの言葉に頷き了承を示す。

「立ち振舞いも打ち合わせと変わらずじゃ。何か質問はあるかな」


三人を見渡し質問が無いことを確認すると立ち上がり他のキャンプへと歩いていく。
恐らく情報を集めに行ったのだろう。
アレンは焚火に薪を追加しグレートソードを持ち少し離れた場所で何時もの鍛練を開始する。
残された女性二人は持ち物をもう一度チェックするためテントの中へ入り込んだ。
そして一時間程経過しアレンが戻り休む準備をしているとガンドが一人の男を連れて戻ってきた。
一目で屈強な戦士というのがわかる体つきをしており革の鎧を身に付けている。
ガンドと同年代に見えることから知り合いなのだろう。
アレンは気にすることなく声をかけた。

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