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同じ姉妹
第二章
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女にとっては合コンの方が大事だったのだ。
 廊下を進み奥の一室に入る。するとそこには。
 もう何人かいた。男女共にいる。既に結構飲み食いしたのか出来上がっている者もいる。裕香奈はそんな彼等を見てわざと口を尖らせて言うのだった。
「ちょっと、私達まだ来てないのね」
「御免御免」
 女の子の中の一人が笑いながら彼女に言葉を返す。見れば服の色が違うだけで裕香奈とその服は殆ど変わりがないように見える。
「ちょっとね。色々あって」
「はじめちゃってたの?」
「そういうこと。ああ、男の子はちゃんと呼んできたから」
「それは見てわかるわ」
 裕香奈は口を少し元に戻して述べた。
「それでもよ。まあいいわ」
「いいの」
「言う気がなくなったわ。言ってもはじまらないし」
「流石。物分かりがいいわね」
 相手の女の子はこう言ってわらってみせる。何はともあれこれで話は終わった。裕香奈も多恵達も合コンに加わることになった。しかしだった。多恵は男の子達の中で一際背の高い一人に不意に目がいった。見れば彼は赤がかった髪を奇麗に左右に分けて少し彫があり明るい顔立ちをしていた。目が大きい。所謂ラテン的な顔であり完全に多恵のタイプの感じだった。
「こんなところでなんて」
「あれっ、多恵、千恵」
 裕香奈はここで二人に声をかけた。多恵はそれを聞いて我に返ったがここでもう一つのことに気付いた。思い出したと言うべきだろうか。もう一人いるということに。
「どうしたの、席はあるわよ」
「あっ、そうね」
「わかってるわ」
 ここでも多恵だけではなかった。千恵もであった。二人は裕香奈の言葉に応えたのだった。
「御免なさい。少し迷って」
「私も」
「もう、二人して何してるのよ」
 そうは言いながらも声は笑っていた。仕方ないわね、と言外で述べているのがわかる。
「合コンは戦場よ。わかってるの」
「裕香奈、それは違うわよ」
 向こうの女の子からまた声がかかる。何かその調子も裕香奈そっくりだった。こんな女の子はそうはいないと思っていたが何と意外なところにそっくりさんがいるのだった。
「違うの」
「修羅場よ」
 本当にそっくりだった。中身まで。
「だから。気合入れなさいよ」
「わかってるわよ。だから二人にそれを言ってるのよ」
「その二人に?」
「ええ」
 ここで多恵と千恵を手で指し示して皆に紹介する。
「紹介するわ。文学部の美人姉妹」
「双子ね」
「そうよ。常盤シスターズ」
 共通の仇名も教えてきた。
「とびきりの美人連れてきてあげたわよ」
「でかしたっ」
 向こうの女の子がそれを聞いて笑顔になる。暗さと光がコントラストで飾っている部屋の中で笑顔が見える。見れば向こうの他の女の子や男の子達も笑っていた。
「そんな美人を連れて来るな
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