≪アインクラッド篇≫
第一層 偏屈な強さ
ソードアートの登竜門 その壱
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本人が居らず、フレンドという観念が随分とおぼろげになっていた。まさかメッセージという手段があったとは失念していた。まったく、こんなことならデスゲーム初日に戻りたいぐらいだ。
そしてもうひとつ、こちらも最近、というか今気づいたことだがSAOはフレンドの場所が分かるようになっているらしい。ということは向こうからも俺の位置が分かるということに違いない。ゲームシステム的にはこの解釈で問題ないはずだ。
しかしそうなると問題がある。俺はキリトの顔を知らない。チュートリアル前の英雄みたいな顔こそ覚えているが、現実の顔になったキリトとは出会ってないのでわからない。それはキリトからしてみても同じで、ここでお互いのリアル顔を晒すことになる。はて、これは一種のオフ会だろうか。
そんな馬鹿な考えは置いとこう。
そしてキリトのことは、まぁ期待せずに待っておこう。
隠蔽スキルを使った状態だとフレンドに場所がわからなくなるんじゃないかと思い、隠蔽スキルを使わずにかくれんぼみたいに隠れる。
コボルトは当然立ち去ってはおらず、何が楽しいのかそのままボーっと立っている。
俺が思いついていないだけでもう打開策はないのだろうか。
そう思い、俺はウィンドウのスキル欄のほうをちらと見る。
レベル十一の俺が現在所得しているスキルは三つ。
≪手甲剣≫≪隠蔽≫≪聞き耳≫の三つである。
現実でもSAOでも聞き慣れない≪手甲剣≫というものは、SAOスタッフが勝手に造った実在しない武器ジャンルのスキル。
『刀身と垂直なつくりのグリップを握るようにして持ち、殴り刺す武器』に与えられた総称だ。
この手甲剣スキルの特徴は急所刺突攻撃に≪威力二倍ボーナスと防御力を実数値貫通≫のパッシブ効果が付くという滅茶苦茶強そうなものだ。
更に、今俺の装備している武器≪ジャマダハル≫にはクリティカルダメージ二倍というわけのわからない効果がある。
更に更に、手甲剣のソードスキル≪罰≫には急所攻撃時ダメージ1.5倍という特殊効果がある。
更に更に更に、もし仮に≪罰≫で急所クリティカル刺突攻撃に成功した場合。
2×2×1.5=6で六倍クリティカルダメージ。基礎攻撃力も片手剣並に高く、防御貫通持ち!たとえ防御力とHPの高いモンスターであろうと一撃だぜ。
――うわぉ。スゲーツエー。
というほどでもない。なんとこのスキル、使い手が俺しか居ないほどに弱いことで有名なのだ。
じつはこれ特殊武器、という所謂ネタ武器だ。何故ネタかと言うと、武器にもよるが手甲剣に該当する武器の場合その圧倒的弱点による。
ひとつ、リーチ。短い。最大の難点と言えるだろう。剣
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