第三章
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んも僕のこと好きだよね」
何とこのことを彼女に直接尋ねてきたのだ。これは郁美にとっては驚くべきことだったl。
「それは。その」
「さっきあのドラマみたいにって言ったじゃない」
ここぞといった感じで出してきた話であった。
「だからだって。それで」
「あのドラマみたいに」
「僕は郁美ちゃんのことが好きで」
またこのことを話す。
「郁美ちゃんは僕のことどうなの?」
「私が直樹君のことを」
「そうだよ。どうなのかな」
多少くどいまでに尋ねてきた。
「僕のこと。どうなの?」
「あのドラマは相思相愛よね」
俯いてやはり彼女も顔が真っ赤になっていた。直樹と同じように。
「何があっても。一緒よね」
「うん、本当に不治の病になってもね」
だから人気のドラマになっているのだ。オーソドックスなストーリーであってもだ。それでもそこに想いがあれば人はそこに己の心を移入できるのだから。
「一緒だよね」
「私。まだ小学生だけれど」
やはり顔は真っ赤なままであった。
「それでも。あのドラマ大好きだから」
「それで僕のこともなんだね」
「・・・・・・ええ」
顔がさらに赤く、これ以上はないというまで赤くなってこくりと頷いた。もうそこに偽りはなかった。あるのは心からの真実の言葉だけであった。
「あのドラマ抜きにしても。私は直樹君が」
「そうなの。僕と同じだね」
「おかしいわよね。私達まだ」
ここで郁美は自分達のことを振り返った。そのうえでの言葉だった。
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