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駄目親父としっかり娘の珍道中
第64話 何時の季節も蚊は鬱陶しい
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呼んでこいつらを治して貰うとすっか」
「あぁ、シャマルやったら其処で寝込んどるよ」
「はぁ!?」

 はやてが指差す方。それは隊士達の中に混じってシャマルまでもが床に伏せている光景であった。青ざめた顔で螺旋状に目を回し、これまたうわ言の様に「赤い着物の長い髪のお化けが来る〜。こっちに来ないで〜」と、呟いていたのであった。

「あ〜らら、天下の守護騎士さんもお化けにゃ形無しって奴ですかねぇ」
「情けねぇ。それでも騎士かよ。も一辺騎士道を一から叩き込んで来いってんだ」
「それは心外だな、土方」

 声は丁度土方の真後ろから聞こえた。振り返ると、其処には土方の言葉にたいそう不満そうな表情を浮かべているシグナムが腕を組んで立っていた。結構きつめに土方の事を睨んでいる。相当気に障ったらしい。

「我ら守護騎士は主八神はやてを守る盾であり剣だ。そんなわれらがたかだかお化け如きにやられる筈はない」
「あっそう。それじゃ此処で他の奴らと一緒に伸びてる騎士さんはどう説明すんだ?」
「あれは伸びてるのではない。遥か遠くに居る仲間と交信をしている真っ最中なのだ。恐らくあぁして呟いているうわ言が通信の暗号の役目を果たしているのだろう。そうに違いない」
「そっちの方が無理あると思うぞ俺的には」

 幾ら弁解した所でシャマルは暫く目を覚まさない。これではビビッて伸びてしまったと言った方がしっくりきそうだ。

「しかし、これでは不味いな。こんな所を攘夷志士などに襲われたりしたら一溜りもないだろうに」
「あぁ、そうならない様に残った俺たちが何とかしないといけないんだが、俺はそれよりもこいつらが皆お化けにやられたって事実の方が情けなく思えてならないぜ」

 危機的状況よりも目の前に突き付けられた現実に恥ずかしくなり思わず目を背けたくなる思いがした土方だった。

「そう言えば、ザフィーラの奴はどうした? さっきから姿が全然見えないんだが?」
「あぁ、奴ならちょいと人を呼んで来て貰ってる所だ、もうすぐ戻ると思うんだが」

 近藤がそう呟いていると正にその通りの事が起こった。外から帰ってきたザフィーラが何人か人を連れて来たのだ。
 しかし、連れて来た奴らの風貌と言ったら摩訶不思議と言うべきか魑魅魍魎とも言うべきか、とにかくおかしな恰好をした奴らであった。
 一人は長身で、顔全体を目以外の部分を包帯で覆っており三途傘を被り、陰陽師を連想させる衣装を身に纏った男……の様な奴であり、もう一人はまるで一昔前に居た武蔵坊弁慶をパロッた様な風体をした少年であり、その顔には宴会芸で良く用いられている丸メガネのでか鼻ちょび髭のアクセサリーを装備した姿をしており、三人目は如何にも中国系の少女でもあった。中国特有の丸帽子に丸いサングラスを掛けただけと言う他二人
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