第64話 何時の季節も蚊は鬱陶しい
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?」
そう、新八が聞きたかったのは銀時の現在進行形でやっている事であった。
銀時の両手には何故かなのはとはやての手をさっきからずっと必至に握りしめている銀時の姿があった。
しかも、何故か二人とも凄い不快そうな顔をしている。
「銀ちゃんの手、何かめっちゃ油ぎっとるんやけど」
「お父さん、手離してくれない? さっきからすっごく手が痛いんだけど……」
「こ、ここここれはあれだよ! お前らがさっきの怪談話聞いてきっとビビッてるんじゃねぇかなぁ……と思って配慮してやっただけだよ。流石は俺だな。正に父親の鏡って奴だろ?」
「別に怖がってないけど」
「はよ手ぇ離してくれへんか? 手が油ギトギトになってまうわぁ」
二人がさっきから離してくれとわめいているのに銀時は一向に手を放そうとしない。しかも、気のせいかとても銀時が必至そうに言い訳をしている気がしてならない。
もしかして、銀さん……
「あ、赤い着物の女だ!」
新八がそう予想していた正にその刹那であった。突然沖田が銀時の後ろを指さしながら囁くようにその言葉を漏らした。
するとどうしたのだろうか? さっきまで必至に二人の手を掴んでいた銀時が今度は脱兎の如く近くのふすまへとダイビングしさながらスライディング土下座も顔負けの如く身を丸めだしたのだ。
その様は余りにも滑稽でかつ、無様と言えた。
「何やってるんですか? 銀さん」
「もしかして、怖いアルかぁ?」
「なっ! ち、ちげぇよ。これはあれだよ……このふすまの奥にもしたかしたら伝説のムー大陸の入り口があるかもって思って思い切って飛び込んだだけだだからな!」
必至に弁解しているようだが、時既に遅し。既に周りに居る殆どの者たちが理解してしまった。
こいつ、ビビッている……と!
「旦那……あんたもしかして……」
「そう言えばお父さん、前にも怖いCMがあった時とか良く夜中に私の事起こしてトイレ一緒に行ってたなぁ。あの時凄い眠かったんだよ」
「ありゃりゃぁ、これじゃどっちが親か分からないですねぃ」
沖田の下卑た笑みが銀時に降り注ぐ。やばい、このままでは……
焦りながら必死に言い訳を頭の中で模索しだす。だが、どの言い訳も沖田の前では無碍に終わってしまう。こいつの前ではどの言い訳も死ぬ寸前の虫の如く片手であしらわれてしまうのが関の山であった。
最早万事休すか。正にそう思った時だった。近くで何かが揺れる音がしだす。
何事かと皆の視線が集まった先にあったのは、飾ってあった巨大なツボの中にいそいそと避難しようと上半身をそのツボの中に突っ込み、下半身が丸出しの状態になっている鬼の副長こと土方の姿がそこにあった。
「何やってんだ? 土方」
沖田に代わり、今度はヴィータの冷や
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