暁 〜小説投稿サイト〜
駄目親父としっかり娘の珍道中
第64話 何時の季節も蚊は鬱陶しい
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「悪霊退治ならこの私の出番や! この私、八神はやての出番やでぇ!」

 今度ははやてが騒ぎ出した。これに対し大人たちは頭を抱えだす。

「ったく、今度ははやてかよ、一体今度はどこぞのネタを引っ張り出してきた―――」

 銀時達が振り向いた時、其処に居たのは紫色のチューブトップにミニスカートで武装し、ぶかぶかのハイヒールを履き、明らかにかつらと思わしき長髪を身に着けたはやての姿があった。

「はやてさぁん、その恰好は一体何?」
「悪霊退治ならこの私、GS八神が華麗に極楽へ行かせたるわぁ!」
「そう言うネタは後10年後にやりやがれ! ってか、今度はえらく懐かしいネタ使いやがったなぁ。これじゃ作者の年がばれちまうんじゃねぇのか?」

 変な心配をしだす銀時。その横では話題についていけず放心している土方と変わり果てたはやてに落胆しだすシグナム。そして我関せずとばかりに動かない近藤にチョークをかます沖田の姿があった。

「ったくよぉ、お前らもうちょっとネタ使うんならネタを考えろよな。銀魂ってのはジャンプで有名な漫画なんだぞ。どうせならジャンプのネタを使え、例えば俺みたいになぁ―――」

 そう言うと銀時は唐突にポケットの中から黒い手袋を取り出し、左手にはめ、更に経典と数珠を取り出す。

「何するんや? 幽遊○書とか?」
「それともゲゲゲの?」
「違ぇよ。良く見てろよちびっ子ども」

 騒ぎ立てる少女たちを黙らせて、銀時は奇妙な念仏を唱え始めた。

「くうちゅうてんちうんたらかんたら……こうふくぐんまどうたらこうたら……」
「おい! 何だよその適当な念仏。あんたこそ元ネタの作品に失礼だろ!」
「うっせぇよ駄メガネ! 我が左手に封じられし鬼よ、今こそその力を示せぇ!」

 声高らかに左手に嵌めた手袋を拭い去る。その中から出てきたのは、皮を剥ぎ、筋肉むき出しの様な姿をしたおぞましき鬼の手……に見立てた手袋が嵌められてただけであった。

「どうだ見たかぁ、鬼の手だぞぉ、これで悪霊なんざバッサバッサと切り刻んでやるぞぉ」
「「……」」

 自信満々に鬼の手もどきを振りかざす銀時。だが、そんな銀時に対しなのはとはやての冷たい視線が突き刺さる。

「な、何だよその目はよぉ」
「何て言うか……普通な発想だねぇ」
「ホンマやなぁ、最近連載が再開したからその人気にあやかろうって薄汚い大人の欲望丸出しやなぁ」
「う!」

 胸に痛みが走る。まさかこんな幼子達に痛い言葉を放たれるとは思ってもみなかったのだろう。
 思わず胸を押さえだす銀時。

「さしずめ【地獄侍ぎ〜んちゃ〜ん】ってな感じになるのかなぁ?」
「なんか語呂悪いなぁ。そっちの方が元ネタに対して失礼やないか?」
「う!う!」

 銀時
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