第64話 何時の季節も蚊は鬱陶しい
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なるの?」
***
「あ……赤い着物で長い髪の女が……来る! こっちに来るよぉ!!」
遂には近藤までもが赤い着物の毒牙に掛かってしまった。床に伏せてしまい、同じような事を呟いている。
「こりゃあれだな。こいつが泣かせた女の怨念がやったんだろう」
「阿呆かてめぇは。近藤さんは女に泣かされる事はあっても泣かせる事はねぇ。第一、家の近藤さんに泣かせる程女が寄りつくと思ってんのか?」
「お〜い土方君? 君さりげなく自分たちの局長の事馬鹿にしてない?」
とにもかくにも、これは由々しき事態であった。もし一連の首謀者が本当に幽霊とかの類であれば正直自分たちの手に負える相手じゃない。早急に霊媒師又は除霊関係の人を呼ぶしかないのだ。
「まさか、本当に幽霊の仕業……なんでしょうかねぇ?」
「はぁ? ぱっつぁんよぉ、お前まで何ビビッてる訳? 俺はそんな非科学的な物は信じない性質なんだよ。あ、ちなみに俺はムー大陸の存在は信じてる口だけどな」
新八の予測に銀時は鼻で笑って見せた。
「そうだよ、これは幽霊の仕業じゃないよ。絶対に妖怪の仕業だよ!」
「は? おいなのは、お前まで何言いだすんだよ。恐怖の余り頭がおかしくなったのか?」
「人の事を頭がおかしくなったかわいそうな人みたいに言わないでよ。とにかくだよ、さっきからこの部屋一帯で反応があるんだよ」
「反応って何の反応……」
その時、銀時はなのはの腕を見た。彼女の腕にはどこかで見覚えのある奇妙な形をした腕時計が装着されていた。
「あのぉ、なのはさん? その腕時計は何?」
「あれだよ。巷で有名な妖怪ウォッt―――」
「今すぐ元あった所に返して来い! それ銀魂でもリリカルでも出てこねぇ奴じゃねぇか! つぅかそれコロコロのネタじゃねぇか! これ一応ジャンプだからな!」
「私の友達、出て来い天パー!」
「いるかああああああああ! そんな妖怪!」
やはりなのはは何時でも何処でも自由奔放だったようだ。正直こいつに事件解決を任せたら返って現場を引っ掻き回しそうで恐ろしくなる。
「ったく、幽霊よりガキの方が性質悪いぜ」
早急になのはから腕時計を引っぺがし、ついでにその辺を飛び回っていた人魂みたいな奴に強引に渡して事なきを得る。もし、もう少し引っぺがすのが遅れたらきっとどこぞのお偉いさんに怒られる事間違いなかっただろう。
「ぶぅ、折角妖怪と友達になれると思ったのにぃ」
「そう言う事したかったら妖怪ウォ○チとコラボしろよ。これ一応銀魂のコラボなんだからよぉ」
そう言うメタな発言は控えてほしいと思う昨今であった。
「まぁ、今回の相手は恐らく幽霊、つまり霊の仕業だろうから妖怪は関係ないだろうなぁ
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