DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第十二話
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は今でも元気にこの城の何処かで戦っておるよ―――もっとも、勝率は無いと思うがね」
ニヤリ、と嗤うノイゾ。
目の前のカズが、カズによく似た別人である、という事実に多少安堵しなくもないが、だが本物の彼が勝機の無い戦いに身を投じているというのも不安なところだった。
「我が兄によれば、《これ》はとある六門神……今や『とある』ではないな。貴殿らの知人たる六門神の、来たるべき姿だそうだ。聞けば貴殿らは《階梯》というモノで身分を分けているそうだな。この者は、我が兄の言うところでは《第九階位》だそうだよ」
再び投げかけられたノイゾの言葉は、コクトとラーヴェイをさらなる戦慄に陥れた。
第九階位。
それは、この《六門世界》に生きる《六門神》で、実質最強の存在であることの証明。この世界には現在、《六王神》たる四柱しか存在していないはずの、究極の《六門神》。
《白亜宮》は、それを自在に生みだしてしまったというのか。それも、既存の六門神の姿を使って。
「さて――――そろそろ始めてもよさそうな頃合いだな。『征け』」
ノイゾのワードに反応して、偽物のカズが身を起こす。その口から流れ出た声は、少しばかり低いが、ほとんど本物と同一。
「遍く切り裂け、《ジークフリード》」
カズの頭上に、巨大な赤い魔方陣が出現する。それはエ・リリューラら《六王神》が、自らの《ギア》を呼び出した時と同じもの――――
『ゴォォォァァアアアアアアッ!!』
果たして、召喚されたのは、コクトの想像したそれと同種の物だった。
違いといえば、《六王神》のそれが人型のゴーレムだったのに対し、こちらはドラゴンの姿をしている、という事か。
巨大だ。全長は三メートルほどか。天を突くような双角。漆黒の鱗は刃のように鋭く、互いに共鳴し合ってりぃぃん、りぃぃん、と刃鳴りを起こしている。
翼は力強い。頑強そうな顎から除く牙もまた、剣を思わせる鋭利さをもっていた。
「これが――――将来的なカズの《ギア》だと……!?」
「《ジークフリード》……《ノートゥング》つながりなのか」
コクトが驚愕の叫びを、ラーヴェイが分析を口にする。それを聞き流して、未来のカズは、冷淡に命令を下した。
「引き裂け、《ジークフリード》!!」
『ガァァァッ!!』
思わぬ形での戦いが、開幕した。
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