DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第十二話
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手を阻んだ蛇の大群であることは容易に想像がついた。それにあの時、ノイゾの物と思われる祝詞が響いていたのを、コクトは覚えている。この問答は、確信に近かった予測を、事実に替えただけだった。
「やはりあの時の蛇は、お前が……」
「いかにも。貴殿らの実力を計ると同時に、多少足止めもさせてもらった――――それでは、第二幕の開演だ。
『十九八七六五四三二一〇
いと尊き我が兄に、この誓いを捧げよう――――
ユニットID【ノイゾ・イクス・アギオンス・レギオンビショップ】より
【マスターズ・メモリア】にアクセス』」
祝詞が起動する。ノイゾの瞳が紅蓮色に輝き、背後の球体がより強い光を発する。先ほどのノイゾのセリフから、背後の球体が《主の記憶》なのだろうと判別する。
あれが一体何を引き起こすのか。コクトとラーヴェイが警戒を強める。ノイゾ自身が戦わない、という事は、あそこから何か援軍でも呼ぶのだろうか。何が来るかは分からないが、十分に警戒しなければならない――――
だが、結果としてもたらされた事象は、二人の想像を大きく上回るモノだった。
「『アビリティブラスト、【パーフェクト・アリス】。SS全域を閲覧。アビリティブラスト、【サモナイル・ユニット】。ユニットID【《来たるべき可能性》カズ】を召喚』」
球体がまばゆい光を放ち、地面に真紅の魔法陣が描かれる。その中からあふれ出た炎が、何かを形成していく。
炎が爆風を伴って弾ける。
「くっ!?」
「むぅ!」
ラーヴェイはマントで防御をし、コクトはウサ耳を隠す。この『ウサ耳を隠す』という行動がトリガーとなり、カウンタースキルが発動、一時的にコクトの状態が《破壊不能オブジェクト》に変更される。決して万能ではない能力だが、コクトはこれを絶対防御の切り札として重宝していた。
今回も期待にたがわず、爆炎はコクトに一切の傷を与えずに消え去る。だがその炎が去った時、爆心地から出現した、炎が形成していた存在を目にした時、コクトは驚愕に凍り付いた。
黄金と真紅を基調とした、陣羽織と和風の鎧。真っ赤な髪、鹿か東洋の竜のそれにも似た角。構えているのは真紅の片刃大剣が二本。どれも見たことがない装備だったが、その顔だけは見間違えない。
無表情に凍り付いたその顔は、記憶にあるそれより多少年ごろのようにも見えたが――――どこからどう見ても、愛弟子・カズの物だった。
「馬鹿な……カズ!?」
隣でもラーヴェイがうなる。
「おや、やはり知り合いだったのかね。我が兄が召喚対象に指名したのはこやつだったのでね――――なぁに、案ずるな。我が兄によれば、貴殿らの知るこの者
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