騒がしい春の協奏曲(四月)
第一章 小問集合(order a la carte)
第五話 バカとテストと機関銃
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人でも道連れにして、Dクラスの戦力を可能な限り低下させる。
僕一人では少々荷が重いが武器が武器なだけに理論的には可能だろう。
理論は理論だ、所詮は多勢に無勢。こんな風に取り囲まれてしまえばあっと言う間に終わりだ。
とは言え取り囲んでくれないと陽動二段作戦は成功しないのだが。
「攻め切れぇえぇ!!!」
Dクラスの指揮官の叫び声。
包囲にしては少々不細工な、扇形状に陣を組み上げているDクラス主力は攻勢をさらにかけてくる。
作戦第一段階はまずまずの結果だ。
固定脚から外し、召還獣に抱えさせながら撃たせる。
弧を描いている敵陣形のなかでも、周りの歩調よりも早い阿呆を狙いながら、出来うる限りの時間稼ぎをする。
『妃宮千早 化53点』
「しぶとい、こいつ!!」
「まだ突破できてないのか!!」
敵さんには援軍が到着したらしい。恐らくDクラス代表直隷の近衛部隊、もしくは階段警備隊のどちらかだろう。
「「いけえぇぇぇ!!」」
『妃宮千早 化学12点』
「もう一発!!」
そして僕の召還獣は十全の働きの末にここで討ち死……
「承認します。」
「Fクラス代表坂本、お前等ここが正念場だ!!。」
「「応っ!!」」
真後ろから教師の声とFクラス近衛部隊の声が聞こえた。
えっ、早くないですか?だって……
「お任せします」
そういって召還獣と共に逃げながら坂本のところにまで落ち延びる。
{Fクラス 妃宮千早 日本史124点}
違うフィールドに入ったことで科目と点数が一気に更新される。
「皆の者、勝負はここからじゃ。妃宮ばかりに任せておかぬぞ。」
僕の左後方からは坂本率いる近衛部隊と敵の向こう、右前方からは体勢を整え終え、小競り合いしていたDクラスの部隊を軽くいなした秀吉率いる守備隊。
「バカな、代表が出てくるなんて。」
「代表を狙え、機関銃女は捨てておけ!!」
「勝てるぞ!!」
Dクラスの士気は挟み撃ちされているというのにこれ以上もないほどに盛り上がる。
僕は坂本の護衛と余裕があればFクラス軍団の後ろから援護射撃を始めた。
「やっぱり無理か!」
「畜生っ」
「いやだぁ、見逃してくれぇえ!」
「しまった、妃宮さん、2、3人そっちに行った!!」
「Dクラス、芝原見参!」
「私が相手になります」
坂本をかばうように前に出た僕を突破してきた内の二人が取り囲み、一人は横をすり抜けて坂本に肉薄した。
「坂本、覚悟し……ろ?」
しかし防衛線をなんとか突破できたDクラスの召還獣たちは、僕らの前で消えてしまった。
同じようにF、Dどちらの召還獣も構わずに消え始めた。
そして放送が次のことを告げた。
[2-Fと2-Dの試験召還戦争はDクラス平賀君の戦死で集結。]
それまでの乱闘が急に終わってしまったことにあっけ
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