騒がしい春の協奏曲(四月)
第一章 小問集合(order a la carte)
第五話 バカとテストと機関銃
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い、うちのクラスにとんだ雌狐も紛れていたもんだ。
「妃宮千早、昔の俺と同じ目をした女、か。」
小さな呟きは、周辺の乱雑な音に紛れて誰にも聞こえなかっただろう。
「時間を稼げば俺たちが勝つ。妃宮の前で恥ずかしい負け方をすんじゃねぇぞ!!」
「「ヨッシャァア!!」」
ここ二日であっと言う間に信者が出来てるぞ、妃宮。
敵の強行突破作戦は渡り廊下に僕が到着したのと同時に開始された。
(五分以上稼げば勝てますが……)
Fクラスの全力を挙げて編成された守備隊の人数も16人にまで減らされているようだ。
このまま無策だったら五分も持っていなかっただろう。
「妃宮千早、化学で参ります。召還」
『Fクラス 妃宮千早
化学 161点 』
「秀吉、妃宮が来たぞ。」
渡り廊下の守備部隊はDクラスの総攻撃を受けていた。
「おぉ、そうじゃな。皆の者、やられそうな奴は妃宮に戦いを委ね、一時戦いに加わらないようにするのじゃ!」
やる気は残っているが、点数はほとんど残っていない野郎どもを束ねながら美少年は我慢強く粘っていた。
Dクラス代表の姿はないけれども、人数的には残っている戦力の半分以上を投入していると考えられた。
「妃宮、すまん。パス!」
「俺もだ、すまない!!」
「俺も!」
「パスだぁ!」
四人からボール(標的)を回される。
かけ声とともに現れた僕の召還獣を眺める。
長い銀の髪は僕のものと変わらず、着ているのは防弾チョッキ、そして手に持つ武器は黒光りのする銃。
そして銃は銃でも機関銃、たしかこれはM60機関銃だったかな。
攻撃目標は四人、防衛ライン突破後すぐに横線の形に陣形を固めながら僕の所に一直線にやってくる。
(味方を誤射しなくてすみそうですね……)
手に持つ機関銃を固定脚に装着させ照準を合わせる。
「撃ち方、始めます。」
召還獣を扱うのには操縦者の技術が必要となると言われている。
僕も初めて学園にきたとき西村先生の許可の下、召還してみたときには全然だめだった。
とは言え、解らないことがあると燃え上がるという分析家みたいな気質からか、それ以来召還獣の操作を頭の中でシミュレートしていたのだけれどもやはり実践は難しい。
(おおざっぱな操作でも相手を攻撃できる武器なのですから、ゆっくりと馴れていきましょうか。)
僕のすべきことは「目立つこと」なのだから。
『Dクラス 川上雫 132点 坂原武 DEAD
桑原聡美 36点 和田佳通 63点』
「一気に点数が削られた!?」
「げっ、点数が無くなっただと!」
防衛ラインと僕の布陣した位置は目測でも15メートルは離れている。
召還フィールドのほとんど端に位置しているから後ろには回り込まれずに
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ