騒がしい春の協奏曲(四月)
第一章 小問集合(order a la carte)
第五話 バカとテストと機関銃
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頷く姫路さん。
まだまだ試召戦争が始まったばかりだからこそ使えるカードならば、使えなくなる前に使うべきだろう。
「Aクラスへの道の一歩だ、おまえ等の力も貸してくれ」
「承ります」
「頑張ります!!」
姫路さんは階段側守備隊への伝令と合流の為にすぐに移動を始めた。
教室に残った僕らは、ホームルームが終わるまでは待機の予定だったのだけれども事態はそうゆっくりとさせてくれなかった。
「伝令、Dクラスは戦力を渡り廊下に結集させ、こちら側の防衛ラインの穴から一挙に突破する模様。至急援軍を送られたし。以上です。」
まずい、防衛線に配置している20余命、先ほどの坂本の解説によると予備戦力は僕と大将の坂本を含めて13人。
「須川、そのまま階段守備の奴らに伝令しろ。作戦を急ぎ開始されたし。以上だ。」
「了解。」
即断即決な男だと思う。
勝負所と認識すればすぐに作戦を柔軟に戦況にあわせる。
(出来る奴だ)
そんな認識が僕の中に生まれたことに少し驚く。
今まで僕の中にはあの天才的な先達しか見えていなかったのだろうか。
誰かに興味を持つことはあったとしても、張り合えそうな奴だとかそんな感情を持ったことはこれまで無かった。
前の学校でも…いやそれはない。
「坂本君、提案なのですが……このようにに渡り廊下の守備隊を移動させて、私がこのように、坂本君の部隊がこのようにすれば……」
気分の悪くなる思い出から逃げるように僕は、少し思い切って話を聞いているときに考えていた作戦を坂本に投げかけてみる。
有用ではないだろうかと思っていたものだから、嫌なことを脳裏から追い出すにはちょうど良かった。
僕からの突然の発言に、最初は驚いたそぶりを見せた坂本は、聞き終えると直ぐに僕の意見を採り入れるか入れないか頭をフル回転させ始めたようだ。
「戦争規定にも乗っ取れている……か」
戦況図と彼の手元の資料を目が行き来した後、僕に鋭い目が向けられる
「……いいだろう。明久が使えなくなった代償だと思えば楽だな。よし近藤、お前は伝令に行ってこい。内容は……以上だ。」
「了解!」
「妃宮、お前はゆっくり行け。」
「畏まりました。」
一礼をして僕は教室を出た。
目指す地点は主戦場の化学の召還フィールドの端、渡り廊下が途切れぎりぎり範囲内に含まれている旧校舎の廊下だ。
銀髪の消えた方をちらっとだけ眺めつつ、俺は気を引き締めた。
まさかDクラスが戦力を掻き集めて強行突破を目指してくるとは想定していなかった。
予想の少し上を突かれてしまった格好だが仕方ないだろう。
作戦を立てたときから少し俺は楽観視し過ぎていたのかもしれない。
Dは勝っても利益が少ない上に、新校舎を堅く守っていれば勝てるのだからと考えていたのだが…
まぁ良
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