第二十四話 麗しき和服その五
[8]前話 [2]次話
「品がないとかね」
「全然思えないわよ」
「綺麗だし」
「可愛くてね」
「お嬢様が着る格好じゃない」
「サクラ大戦でもそうだったし」
ゲームの話題も出る。
「何処が下品かしら」
「お嬢様じゃない」
「そうよね」
「いえ、それが当時はです」
大正時代の価値観ではというのだ。
「違いまして」
「品がない格好だったの」
「そう思われていたの」
「何でも女の子が工事現場の作業員の方の格好をする様な」
そうした感じだったというのだ。
「そうした印象だったと」
「工事現場って」
「そこまでだったの」
「あの格好が」
「当時はそう思われてたの」
「そうでした」
こう話すのだった、クラスメイト達に。
「女の子が袴にそのうえ靴を履くというのは」
「その二つが合わさればなの」
「かなり品がないって思われてたの」
「そうだったのね」
「そうした格好をして痴漢を避けていたとのことです」
女学生を襲う変質者等をだ、こうした手の変質者は何時でも何処でもいる。特定の国にしかいないと思える人間はレイシストだ。
「品のない格好の女の子なら近寄りませんね」
「まあねえ」
「確かにガテン系の服着てる娘ってね」
「誰も声かけないわね」
「それこそね」
「そうです、ですから」
それでだというのだ。
「あの格好は本来はとても品がなかったのです」
「今じゃお嬢様なのにね」
「ハイカラな感じでね」
「時代も感じさせるね」
「そうしたイメージなのに」
「服も時代によって感じる印象が違う様ですね」
こうも言う桜だった。
「ですから」
「桜ちゃんのお家にはそうした服ないのね」
「大正浪漫は」
「また別です」
その時代ではないというのだ。
「言うならば正装です」
「日本のね」
「それなのね」
「着流しもありますが」
売られているものは基本的にというのだ。
「正装です。私もあの服は好きですが」
「可愛いからね」
「私達から見れば品がありますから」
「私もあの格好は上品だと思います」
桜も現代の女の子だ、それでその格好にもそう言うのだ。
「しかし大正の頃はです」
「そうではなくて」
「ガテンだったのね」
「そうしたイメージだったの」
クラスメイト達はしみじみとして言うのだった、そしてだった。
薊達は昼に桜からその話を聞いてだった、まずは薊が驚いて言った。
「本当かよ、それ」
「はい」
そうだとだ、桜は薊にも答えた。昼食の後で中庭で全員智和も含めてそこで休みながら話をしている中で言ったのである。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ