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美しき異形達
第二十四話 麗しき和服その四

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「外見もお家もね」
「大和撫子よね」
「性格もね」
「暮らしだって」
「そうでしょうか」
 桜はここでだった、自分の身体のあちこちを見回した。そのうえで友人達に少し怪訝な顔でこう言ったのだった。
「普段は洋服ですし今も制服ですが」
「それでっていうのね」
「大和撫子じゃないっていうのね」
「スカートの丈も短いです」
 それもかなりだ、制服のスカートから見事な白い脚が見えている。
「ですから」
「いやいや、制服は普通だから」
「それはね」
 だからいいというのだ。
「私達もだしね」
「制服についてはね」
「和服じゃなくてもね」
「学生だから」
「そうですか」
「まあ桜ちゃんなら」
 ここでクラスメイトの一人が桜の言葉を聞きつつ言った。
「大正時代の女学生さんの服とか似合いそうね」
「袴と着物の、ですね」
「そう、靴でね」
「あの格好ですか」
「そう、私個人も好きだけれど」
 それと共にというのだ。
「桜ちゃん似合うって思うわ」
「あっ、そうよね」
「桜ちゃん和風だからね」
「あの格好似合うわよね」
「絶対にね」
 他のクラスメイト達も言うのだった。
「頭の後ろにリボン付けてね」
「それで本とか持ったりして」
「パラソルもね」
「大正浪漫もいけそうね」
「大正ですか」
 そして本人はというとだ、クラスメイト達にこう言った。
「面白そうですね」
「桜ちゃんそうした格好したことある?」
「これまで」
「いえ、ありません」
 それはないというのだ。
「これまでは」
「あっ、そうなの」
「ないの」
「はい、これまでは」
 そうだったというのだ。
「お家にもありませんし」
「あれっ、着物売ってるのに?」
「私の家は呉服ですので」
 その服を扱っているからだというのだ。
「絹の。袴もありますが」
「ああした女学生の服はなのね」
「ないのね」
「はい、あの服は実は」
 その女学生の服はというと。
「当時はかなり品のない服とされていました」
「えっ、嘘でしょ」
「あんな可愛いファッションなのに」
「着物だしね」
「そうそう、上品よ」
「近代化と昔の日本の両方があってね」
「無茶苦茶お洒落じゃない」
 これがクラスメイト達の女学生の服についての感想だった、つまり下品とはとても思えないというのである。
 だからだ、こう言うのだ。
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