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美しき異形達
第二十四話 麗しき和服その三

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「寝ることだ」
「わかりました」
「そしてだ、修行を積んでいきなさい」
「これからもですね」
「桜には学ぶことが多々ある」
 それ故にというのだ。
「これからもな」
「わかりました」
 桜は祖父の言葉に素直に頷く、そして入浴和風の檜の見事な風呂に入った後浴衣の様な和服の寝巻きに着替え自分の畳の部屋の端で座布団に座って机の上で勉強してから布団の中で寝た。そして朝も一家で朝食を摂った。
 それから部活の朝練に出る。そこで軽く汗を流してだった。クラスに入ってクラスメイト達と話をするがそこでだった。
 クラスメイト達は桜の話を聞いてだ、驚いて言うのだった。
「着物でなの」
「桜ちゃん着物で寝てるの」
「しかもお布団で」
「はい、おそらくもう珍しいですね」
「ええ、もうね」
「今だとね」
 クラスメイト達は桜の日常の生活を見て言うのだった。
「和服でお布団の中で寝るって」
「温泉宿に泊まるのならともかくね」
「今だとね」
「かなり少ないわよ」
 こうそれぞれ答えてだ、桜にこうも言うのだった。
「私パジャマで寝てるわ」
「私ジャージよ」
「私はいつもタンクトップと半ズボン」
「私もジャージよ」
 それぞれそうした格好で寝ているというのだ、そして寝ている場所も。
「ベッドよ」
「私も」
「私もベッド」
「私もよ」
 全員ベッドであった。
「お布団はね」
「ないわよね」
「あまりね」
「そうですか。皆さんベッドですか」
 桜は彼女達の話を聞いて静かに述べた。
「お布団ではなく」
「ううん、もうね」
「お布団で毎日寝る子って少ないと思うわ」
「毎日敷いて時々干さないといけないし」
「ベッドの方が楽だしね」
「だからね」
 それでだというのだ。
「和風で趣があるけれどね、お布団って」
「けれど毎日畳まないといけないでしょ」
「だからね」
「ベッドよ」
「私はベッドは」
 桜は自分のベッドに対する感情をここでクラスメイト達に話した。
「何か怖いです」
「ああ、落ちるっていうのね、ベッドから」
「寝相で」
「寝ていて落ちるかと思うと」
「不安なのね」
「そうなるのね」
「はい、そこが怖いので」
 だからだというのだ。
「ベッドの方が不安になりますが」
「そうなのね、いつもお布団で寝てると
「そこが怖いのね」
「そうなるのかしら」
「私としましては」
 そうだとだ、桜はクラスメイト達に話す。
「ベッドは怖いです」
「何かそこもね」
「桜ちゃんって撫子よね」
「そうそう、大和撫子」
「まさにね」 
 そうしたイメージだというのだ、桜は。そしてクラスメイト達はここでこうしたことも言うのだった。
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