第4話 衛宮邸に足を運ぶお客は変わり者ばかり
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?じゃ、じゃあ、他は?」
あまりの告白に恐る恐る聞く小雪。
「換気口から排出される臭いだけで、その辺に居る通常の虫たちは死ぬ。ゴキブリすらも逝ったほどだからな。鳥、犬、猫なんかは、心肺停止する。外にたまたま俺が出てたら、換気口の排出口の近くに居たそれらが倒れてたから、慌てて応急処置して知り合いの動物病院に運んだよ」
苦笑いしながらも瞳は遠くの方を見ている士郎に、二人は戦慄を覚えていた。
「おかげで、換気口にも手を加えることを余儀なくされたよ。勿論、終えるまで激辛料理は作らなかったよ」
「そ、それは・・・壮絶ですね・・」
「何人くらいのお客さんがいるの?」
「現時点では三人だな」
「何とも少ないですが、それでは食材などは大丈夫なんですか?」
「ああ、使えるものは普通の食材だけだし、スパイスは特別のブレンドものだ。それに本当にその日のうちに食べたい食材がある場合は、お客自身が持参してくるのさ」
成程と、冬馬が頷いていると赤い扉がスライド式に開き、二人の男女が出てきた。
「ご馳走様でした」
「今日もまた最高の味だったぞ、店主よ。次回来る時も楽しみにしている」
「それはお粗末様」
「会計をしてもよろしいでしょうか?」
「はい、どうぞ」
中から出てきた二人で、男性の方は神父服に身を包んでおり、銀髪の少女の方はシスター服だ。
「払い終えましたよ、父上」
「うむ、では戻るか」
そうして二人は衛宮邸を後にした。
「神父にシスター・・教会の方々でしたか」
「三人目は君らと同じ学生だがな」
そう、衛宮邸を後にした二人は七浜にある言峰教会に在籍する敬虔なる神の使徒だ。
名前は言峰綺礼と言峰カレン。
最初出くわした時、士郎は勿論の事ジャンヌも思わず身構えたが、悪辣非情な事に手を染めていない以外は同じだったので、取りあえず様子見に徹する様になっていった。
ここで教会の事について触れておこう。
士郎のいた世界の聖堂教会の様な裏組織はほとんどなくなっている。
それは魔術師たちの衰退とともに死徒の数も激減したためである。
活動を必要とする人員が少しづつ無くなり、そうして今に至った。
今では世界中の死徒や魔術師の動きなどを把握するための、情報収集の組織が有るくらいだ。
だからといって、死徒殲滅の代行者が消え失せたためでは無い。
世界中にある各地の神父たちは全員が代行者でもある。
魔術師と死徒ととかが消え失せらわけでもない。しかし、裏組織の人員が多すぎる。
それ故に、全世界各地の神父たちが代行者でもある訳だ。
そして、神父(代行者)としての仕事の内に自身の後進を育成する者が有るのだ。
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