暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos45-A空翔ける騎士/蘇る闇の欠片〜Fragments〜
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ー。勝手に、土足で他人様の家庭の問題に踏み込んで来ないでくださいぃー」
駄々っ子。見た目ははやてちゃん達以上のお姉さんなのに、中身が本当に幼い。溜息ひとつ吐いて、アースラに連絡を入れようとした時、「っ!?」とんでもない魔力反応が付近で発生した。その魔力波で「ああ! 戒めの糸が・・・!」弛んじゃった。
「チャ〜ンス! キリエ、緊急ダァーーッシュッ! C.K.K?」
「待っ・・・!」
拘束力をもう一度強め、そして制止する間もなくキリエさんがとんでもない速さで飛び去って行っちゃった。あぅ、逃がしちゃったわ。しょんぼり肩を落とす。
「ううん。こんなことで落ち込んでいられないわ。さっきの魔力の発生点に向かわないと・・・!」
キリエちゃんの反応をアースラが捉えてくれるまで、私はもう1つの問題へ取り掛かる。魔力反応が発生した場所へ飛んで、「え・・・?」発生原因を視界に収めた。
「ルシル君・・・? あれ? ルシル君は海鳴市の担当じゃ・・・? それに、どうして大人の姿に変身して・・・?」
ふくらはぎまで伸びる、綺麗で長い銀の髪。背に展開するのは蒼い魔力で形作られた剣の翼12枚。見間違うはずのない家族の姿がそこにあった。
「シャマル・・・?」
「??・・!?・・・!!・・・うそ・・・!」
両手を口元へ持って行く。ルシル君じゃない。あの人は、あの人は・・・「オーディン、さん・・・!」だわ。ルシル君の大人形態と瓜二つでありながら、その身に纏う雰囲気が変身時より大人っぽい。
「オーディンさん、ですよね・・・?」
「どうした? シャマル。私が他の誰かに見えるのか?」
そう言ってペタペタと自分の顔を触るオーディンさん。視界が涙で滲みだす。また、こうして逢える日が来るだなんて、予想だにしていなかった。私は思わずオーディンさんの胸へと飛び込んだ。
「おっとと。どうしたんだ?」
「いえ、・・・いいえ、なんでもないです!」
「???・・・ふふ。おかしなシャマルだな」
オーディンさんに頭を撫でられる。何百年ぶりなんだろう。大きくて温かな、そして優しいその手で撫でられるのは。でも、このオーディンさんは・・・欠片。打破しないといけない障害・・・なのよね。私はオーディンさんの胸に頬を摺り寄せながら、今のオーディンさんの状況を伝えた。
「――つまりは、今の私は闇の書の闇が再現したことで実体化された記憶、だということなんだな」
「はい」
「なるほど。通りでアムルの街並みが周囲に無いわけだ。しかもいきなりここに放り出されたような感じもして、何故ここに居るのかさえも判らなかった。そうか、そうか。偽者なら、当然か」
「オーディンさん・・・!」
納得したと言った風に深く息を吐いた
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