暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos45-A空翔ける騎士/蘇る闇の欠片〜Fragments〜
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ルトもまた高度を落とし付いて来た。そしてザッと地面へと降り立ち、「仕切り直しだ、覇王イングヴァルトの末裔よ」と言い放つ。

「しっかりと両足で地面を踏みしめることが出来れば、お前のカイザーアーツもその真価を発揮できるだろう。その上で沈めてやる」

「・・・感謝します」

ふむ。空中の時は違い、なかなかの構えだ。外見年齢は10代後半ほどか。その構えからして余程の鍛錬を積んできたのだろう。その真価を発揮できずに敗北を与えるのは忍びない。私としても本当に覇王流を見てみたい思いもある。

「では改めて・・・参ります」

空戦とはまるで違って勢いのある踏込み、「ほう」そして一足飛びの速度。“レヴァンティン”ではなく鞘を振り下ろす。イングヴァルトは体の向きを横に変えることで避け、勢いを殺すことなく、上半身の捻りを加えた正拳突きを繰り出した。
私は、右足を伸ばした状態で左足だけを曲げて腰を限界まで落とすことでやり過ごす。頭上を通り過ぎたのを確認。蹴りを打たれる前に立ち上り、イングヴァルトを左肩に担ぎ上げて「おおおお!」後ろに向かって放り投げる。息を呑むイングヴァルトの気配を背中で感じながら、振り向きざまに“レヴァンティン”を振るう。

「っぐ・・・!」

また防がれた手応えが右手から伝わって来たが、「おおおおッ!」そのまま“レヴァンティン”を振り払う。ここでようやく振り返り終え、大きく薙ぎ払われたイングヴァルトを視界に収めることが出来た。あの娘は両手を地面に付いて滑空を止め、後方倒立回転跳び――俗に言うとなんだったか、バック転か。それで勢いを殺した。

「結構本気で打ち込んだんだが、さほどダメージが入ってはいないようだな」

鞘へと“レヴァンティン”を納め、カートリッジをロード。その場から動こうとしないイングヴァルトへと歩み寄って行くと、あの娘が構えを見せる。最初に見た初撃より、私が中断させた二撃目より、魔力の練り込みのレベルがさらに高い。

「用意は出来たか? イングヴァルト」

「はい。ご配慮、感謝いたします。今の私に打てる最高の一撃を、お見せいたします」

「そうか。では私も、それに見合うだけの一撃を見せよう」

徐々に距離を詰め、そして一足飛びで“レヴァンティン”の間合いにイングヴァルトを入れる事が出来る距離になったところで止まる。ここに来てもう語る事はない。次の接近で、互いに必倒の一撃を揮う、それだけだ。

「覇王・・・」

「紫電・・・」

待ち構えるイングヴァルトへ一足飛びで最接近。

「断空拳ッ!!」

先手はイングヴァルト。極度に練り上げられた力が込められた右拳打が真っ直ぐ打ち出されてきた。本当に面白い技だ。速度も申し分ない。だが、私を相手にそれはあまりにも直線的。先ほどイングヴァ
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