暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マクロスF
0767話
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近付いていくに連れてその数は少なくなり……そして、とうとう俺の進行方向にフォールド反応が幾つも現れ、何かがデフォールドしてくる。
 ……いや。何か、と誤魔化す必要も無い。まず確実にバジュラだ。人間側は惑星の近くだと重力の問題でフォールドが出来無いのに、バジュラに限って言えばどんな手段を使ってかは分からないが、こうしてバジュラ本星から直接フォールド出来るのだ。羨ましいと言うか、狡いと言うか。
 とにかく……

「ここからが本番だって訳だな!」

 叫び、こちらへと向かって重量子ビームを放って来た重兵隊バジュラの一撃を、スーパーパックのスラスターを使って強引に機体を傾け、回避に成功する。同時に幾つものミサイルや弾丸、ビームが俺に向かって飛んでくるのを、機体のスラスターを細かく制御しながら回避していく。
 右、左、右、右、下、上、上、下、右。
 そんな風に細かく……それこそ、ミサイルやら弾丸やらの数m、下手をしたら1mを切るくらいのギリギリの見切りで回避し、反撃をせずにただひたすらバジュラ本星へと向かって突き進んで行く。
 勿論そんなギリギリの見切りをしている以上、機体のすぐ側を攻撃が通れば多少のダメージは受ける。特に重量子ビームに限って言えば、その威力は非常に強力なのだ。だがこちらには……より正確に言えば、YF-29にはフォールド・ウェーブシステムがある。超高純度のフォールドクォーツによりエネルギー切れの心配が殆ど無いので、YF-29のエネルギー転換装甲はVF-25とは比べものにならない程の防御力を誇っている。その防御力に物を言わせて攻撃の雨霰の中を突っ切っていくのだが……

「ちぃっ、こんな時に機体の反応速度の鈍さを感じる事になるとはな」

 忙しく機体を動かしつつ、思わず舌打ちを1つ。
 YF-29という、恐らくは現時点でこのマクロス世界の中で最も高性能の機体を持ってしても、やはり俺の反応速度には付いてこられないらしい。極限までチューンはされているのだが、それでもこのギリギリの状態だからこそ、より敏感に反応速度の遅さを感じるのだろう。これがいつものバジュラとの戦いであれば、オズマやアルト、ルカ、ミハエル、カナリア、それにクランを始めとしたピクシー小隊もいるし、S.M.Sの一般部隊や新統合軍もいる。だからこそ機体の性能を限界まで活かすというのはともかく、パイロットとしての俺の限界を出さなくても良かった。
 だが、今は俺1機である以上はそんな悠長な事は言っていられない。つまりは……

「やるしかないってな。加速! 集中!」

 2つの精神コマンドを使い、背後からこちらを追って来ていた30匹近いバジュラの群れを一気に振り切る。だが、背後から襲ってきたバジュラの群れを振り切るという事は、当然それだけバジュラ本星に近付くという事で
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