激突!妖精の尻尾!3
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しかし、俺の拳は届かなかった…
一歩先、『火竜』の拳の方が俺の拳よりも早く俺の頬を捕らえたからだ…
俺は衝撃で二、三歩後退りするが負けじと足を崩さず踏ん張る。
しかし、先程のダメージが残っているのか少しフラッとする感覚に襲われるもここはグッと堪えて、『火竜 』にまた攻撃を仕掛ける。
「うぉぉぉおおおお!!!」
…
…それでも俺の拳は届かなかった…
『火竜』を殴る直前で俺が倒れてしまったからだ。
もう動ける気がしない…
まだ戦える気はあるのに、体は言うことを聞いてはくれない…
けれど、不思議と悔しくはなかった…
俺はまだ世界を知らないことを知れた…俺なんかはまだまだ半人前で彼ら『妖精の尻尾』の足元にも及ばないんじゃないのかってことを…
「ああ!!やっぱり悔しいなぁ〜…」
仰向けで倒れている俺に対して『火竜』は手を差し伸べた。
「お前、つえんだな」
ニカッと笑う彼の笑顔に思わずこっちまで笑いかけそうになる…
やっぱり何故か清々しからかな…
「いや、やっぱり敵わない…『妖精の尻尾』って話通りの凄腕の魔導士が居るんだな…」
俺は彼の差し伸べた手を握り、そのまま立ち上がった…
「そう過小評価しないでいい、君は十分強かった…私達四人に対して引きを取らない素晴らしい戦闘だった」
手手を叩いて緋色髪の女は俺をそう評価した。
「これだけやれれば町を半壊させたのも頷けるな…」
黒髪の男は頭をかきながらそして、パンツ一丁でそう言った。
誉めてくれたのかバカにしているのか別として…
「でも俺は今お前達に追われる身だ。こうして黙らせたんだ…もう逃げねぇし、戦う気力もねぇ…どうぞ、焼くなり煮るなり好きにしてくれ…」
ガイアロストの話を少しばかり聞いておきたかったんだが…もうしばらくは牢獄入りだろうからな…
「そう言えば、何で追われてるの?」
青いネコが手を上げてそう訪ねた。
「お前、掲示板見てなかったのか?俺は町を半壊してそれで尋ね人になって居るんだろ?」
「あい、そうなんだけど何で町を半壊しちゃったなぁって…」
「ああ、それはその町に行った直後になんかワケわかんねぇ奴等に『ここはてめえのような薄汚い奴が来る所じゃない』とかほざいたからぶん殴ってやったら、今度は『領主の息子』がどうだこうと言ったら何か兵士出てきて俺に斬りかかって来たから反撃したらいつの間にか町がぶっ壊れたって言うだけの話」
「それはその領主の息子っていう奴が悪いだけなんじゃあ…でもそれで町を半壊させるのもどうかと思うし…」
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