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退学
5部分:第五章
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第五章

「何かあったら俺に言え。いいな」
「わかった。それじゃあね」
「ああ」
 こうして麻奈美は工夫に工夫を重ねて学園生活を続けることにした。奨学金も貰えて何と軌道に乗ってきていた。とりあえずは安心だった。
 だがここで。良太は麻奈美の異変に気付いたのである。
「おい」
 麻奈美に声をかけた。見ればかなり痩せてきていた。
「どうしたんだよ、今度は」
 そんなに辛いのかと思った。だがそれは違っていた。
「別に何も」
「そんなに痩せてて別に何もじゃねえだろ」
 彼は言った。
「どうしたんだよ、話してみろよ」
「最近あまり食べていないから」
「スーパーで買えばいいだろ」
「それでもパンの耳とかそんなのばかりだから。それで」
「馬鹿か、御前」
 良太はそれを聞いて思わずこう言った。
「そんなのばかりじゃ身体がもつわけねえだろが。しっかりしたもんも食えよ」
「そう言われても」
「料理とかできねえのか?」
「あまり」
「それか」
 真相がわかった。わかっても呆れていることは変わらない。
「それじゃあな。料理の本貸してやるよ」
「お料理の?」
「それ読んで勉強すればいいさ。それで色々作れるようになるだろ」
「そうなの」
「そうだよ。まさか料理が苦手なんて思わなかったぞ、おい」
「けど」
「けどもどうしたもねえよ。とにかくこれでいいよな」
「ええ」
「おかしいと思ったんだ」
 麻奈美の顔を見て述べる。
「あんなにふっくらしてたのによ。急に痩せてよ」
「そんなに私痩せた?」
「ああ、前と全然違うぞ」
「そうなの」
 そう言われると自分でも認識してしまう。そして沈んだ考えになる。
「だからな」
 良太はそんな麻奈美にさらに言う。
「たまには栄養のあるもの食えよ。何なら俺の家来い」
「宇山君の家って?」
「知らないのかよ。俺の家はお好み焼き屋なんだよ」
「えっ、そうだったの!?」
「って知らないのかよ」
 また呆れてしまった。
「このクラスになった時に最初の自己紹介で言っただろ」
「御免、忘れてた」
「そうかよ。仕方ねえなあ」
 どうにもしっかりしているようで抜けている部分が多いのに気付いた。
「それでいいな」
「え、ええ」
「安くしとくからよ。それによ」
 ここでつい口を滑らせてしまった。
「ふっくらとしてる方がいいしな」
「えっ」
 麻奈美もその言葉に気付いた。
「今何て」
「あっ」
 つい出てしまった言葉だった。だが出てしまったということは戻りはしない。だが。
「な、何でもねえよ」
 咄嗟に自分の言葉を誤魔化した。
「とにかくあんまり痩せてると身体にもよくないからよ。わかったな」
「うん。それじゃあ」
 良太の言葉に頷いた。それからは料
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