≪アインクラッド篇≫
プロローグ リセットの享受
プロローグ 郷愁の日々 その参
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ない男プレイヤーを探して見つかるとは思えない。
悪態をつきながら俺はフレンドとの合流を諦め、泣き喚く群集どもに背を向け、街の外――死地――へ向かって歩き出した。
もう俺の中には、さっきまで膨れ上がっていた不安は綺麗サッパリなくなっていた。
代わりに自信なら、ある。
生き残る自信なんかじゃない。勝ち残る自信だ。
俺はかつて何タイトルものMMORPGやプレイヤースキル重視のRTSをやってきて、どのタイトルでもそれなりに名を残したことがある。
俺が攻略に駆り出さなければいったい誰が攻略をするというのだ。これは一種の使命感、動かなければ、戦わなければという使命感だ。
セオリーも知っている。
引き際も知っている。
テンプレートも知っている。
効率も知っている。
俺は勝ち残る智慧と、技術がある。知識だけなら元βテスターには劣るかもしれないが、≪無知の有利≫も、俺は知っている。
夕焼けが沈み、紫の空から濃紺の空へと変わり移ってゆく。
空は暗くなり、街灯に明かりが灯る。それは中世風で瀟洒な雰囲気のこの街と相まって、とても美しかった。
中央の広場から歩いて離れて行くと、段々と嘆きの声は遠のき、歩くたびに鳴る石畳の心地いい音だけが残った。
リアリティのある、音だった。
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