そして、彼女は
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「そうよ!パラゴーネは突然大声を出されるのが苦手なの!怯えちゃってるじゃない!」
今にも胸倉を掴みそうな勢いのナツをエルザが制し、不安そうに俯くパラゴーネを見たルーシィも加わる。
そんな3人を見たルーが、「方法がない訳じゃないよ」と呟いた。
「マジか!?」
「この扉が開けば、カトレーンの家まで誰にも見つからず行けるんだって。それならきっとタイムリミットにも間に合う。そうだよね?」
「肯定する、が……」
頷いたパラゴーネの視線を追うように扉に目を向ける。
紫色に煌めく文字が壁を張り、全く変わらない文章を映していた。
「“塔の中の十二宮が全員倒れるまで、この扉を開く事を禁ずる”…これって術式ですよね、フリードさんが得意だっていう」
「そうなの……とは言っても、残りの十二宮の数が解る訳でもないし、どうしようもないんだけどね」
「レビィかフリードがいれば書き換えられるがな……」
ヴィーテルシアの呟きが消えるのと同時に、エルザは辺りを見回す。
目が合ったルーがきょとんとしていると、エルザは口を開いた。
「ルー、それからルーシィ。お前達が戦ったのは誰だった?」
「え?えっとね、マミー・マンって人だよ。災厄の道化の。ね、ルーシィ」
「うん、“死の人形使い”って言ってた」
「そうか」
どうやらエルザは、ここにいる全員が誰と戦ったかを確かめるようだ。
確かにそうすれば残っている十二宮の数が解るかも知れないが、ここには塔に入った全員がいる訳ではない。ジュビアはいないし、クロスにライアー、サルディアもいない。
それでも大体は解るか、とエルザは思いつつ、今度はヴィーテルシアに目を向けた。
「ヴィーテルシアは?」
「災厄の道化の2人。“天候を司る者”のセスと、“宙姫”ルナ」
結果的に倒したのは私じゃないが、という呟きが聞こえた気がしたが、今それに関して追及している暇はない。
「アランは?」
「僕は十二宮を2人。“金牛宮”キャトルさんと“双子宮”ジェメリィを」
キャトルには“さん”を付けるのにジェメリィだけ呼び捨てなのには違和感があったが、とりあえず今は放っておく。
「グレイは…聞くまでもないか」
「だな」
エルザの言葉に頷くグレイ。
先ほどのグレイの発言もあるが、倒された側であるパラゴーネが素直にも挙手している為だ。
「ナツは?」
「塩」
「は?」
「違うよナツ、シオ・クリーパーでしょ。災厄の道化の“太陽の殲滅者”だって」
即座に調味料を答えられポカンとしたエルザに、ナツに変わってハッ
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