そして、彼女は
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きな炎の翼が生えている。
「行こう、アルカ」
《行くぞ、ミラ!》
2人はほぼ同時に声を掛けあい、ミラは力強く地を蹴った。
「おーい!」
変わらず扉の前で立ち往生するルーシィ達は、聞こえた声に目を向けた。
ぶんぶんと手を振るナツを先頭に駆けてくるエルザ、ハッピー、ヴィーテルシア、アランを見て、自然と表情が明るくなる。
「ナツ!みんなも!」
「よくここが解ったな」
「あい、ナツの鼻が大活躍したんです!」
「へへっ」
驚いたようなグレイの言葉にハッピーが答え、ナツが鼻の下を擦る。
そんな仲間達を眺めていたエルザの目が突然鋭くなったのに1番最初に気づいたのは、その隣にいたアランだった。
「エルザさん?」
「お前……何故ルーシィ達といる」
その鋭い視線の先を辿る。
そこでようやくエルザの目の意味に気づいたナツ達は、咄嗟に戦闘態勢を取った。
「お前、血塗れの欲望の!」
「天秤宮のパラゴーネ!?」
事情を知らないナツ達には知った緊張や怒りを含んだ声に驚いたのか、パラゴーネはびくっと肩を震わせる。1歩、また1歩と下がったパラゴーネはグレイの後ろに隠れ、窺うように目だけを覗かせた。
「グレイさん、どういう事ですか?何で彼女があなたの後ろに?」
「話せば長くなるんだが、コイツは敵じゃねえ。オレ達がここに来れたのはコイツのおかげなんだ、だろ?」
「……肯定、する」
拳に黒い光を集中させるアランに応えたグレイが振り返る。
問われ、こくりと頷いたパラゴーネは不安そうに瞳を揺らし、時折ナツ達を見てはすぐに目線を下げていた。
怯える小動物のような彼女を見たナツ達は顔を見合わせ、納得したように頷く。
「…解った。敵ではないのだな?」
「それはコイツと戦ったオレが保証する。パラゴーネ、コイツ等にもオレにしたのと同じ話を」
「了解した」
そしてパラゴーネは本日3回目の同じ話をする。
“星竜の巫女”の話、シュテルロギアに願えばどんな事も―――――世界中への厄災だって願えるという事。シャロンの計画についても、そして、儀式に間に合わなかった場合のそう遠くない未来で、ティアが殺されてしまう事も。
「そんな事を……」
「許せん…私の相棒をどこまで苦しめれば気が済むんだ、アイツ等は!」
ハッピーが震える声で呟く。
その後ろで、ヴィーテルシアは怒りと悔しさを抑えきれずに壁を殴った。じんじんと拳が痛むが、そんな事を気にしていられるほどの余裕がヴィーテルシアにはない。
「オイ!どうすりゃあのばっちゃん止められんだよ!ティアを殺すなんてさせる訳ねえだろ!?何か手はねえのかよ、パラゴーネ!」
「落ち着けナツ!」
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