大図書館。そして妹のもとへ。
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イモノ、ざっと6000という、どう考えてもおかしい勢いで現れた。広いと思っていた大図書館が一気に狭くなった。
「うげぇ、ヤバイぞこれは……」
「いくら出てこようが構わない。叩き潰すまでよ!」
咲夜はナイフを構える。すると美鈴が突然うしろを見て叫ぶ。
「暗基さん暗基さん!! パチュリー様のマガイモノが大図書館の外に出ました!」
「なんだって!!?」
ここにきてパチュリーのマガイモノが逃げただと?何をするつもりだ? と暗基は考えを張り巡らせていると、咲夜が声をかけてきた。
「零。ここは私たち二人に任せて、あなたはパチュリー様のマガイモノを追いかけて!」
「大丈夫なのか!?」
「心配しないで。私たちなら大丈夫だから」
「だけどよぉ……」
「零さん。咲夜さんのいうとおりです。私たちにお任せください!」
「……、殺られるんじゃねぇぞ」
そう言って暗基は大図書館を出た。
「……、さてと、美鈴?」
「えぇ。久しぶりに、ひと暴れしましょうか!!」
美鈴の一声とともに、2人は敵の群へと突っ込んでいった。
そのころ、パチュリーのマガイモノは1人、ある場所へと向かっていた。
「やっとフランを押さえ込む魔法が出来上がったことだし。戦力増強しないとね」
そう。あまりにも力が強すぎて、今までマガイモノに出来なかったフランことフランドール・スカーレットの部屋へと続く廊下だ。マガイモノにすることが出来なかったため、とりあえず廊下に強力な結界を張り、フランを外に出させないようにしたうえで、フランの力を押さえ込む魔法を作っていたのだ。
「これで、私たちはさらに強くなる。そして、新しい幻想郷を作り上げるための第一歩になる……。ふふふ、素晴らしすぎて笑いが止まらないわね」
歩きながら1人で笑っているパチュリーのマガイモノは、結界を解き、フランの元へと向かった。
その2分後、暗基は1人パチュリーのマガイモノを追って、先ほどの分岐点へとやって来たが、驚きを隠せなかった。
「なんで……、さっきよりも禍々しい霊力が流れてきているんだ……!?」
先ほど咲夜と美鈴とともにこの場所にいたときに感じられた霊力とは比べ物にならないほど強力な霊力を暗基は感じていた。それもただ強い霊力ではない。言葉で表すのなら、「これ以上ここにいたら死ぬ」と身体に直接刷り込まれているような、めちゃくちゃな霊力だ。
暗基は正直、今すぐにでも逃げ出したかった。つい先ほどまでごく普通の男子高校生だった人間にこんな場所へ身を投げ出さなきゃいけないということが、あまりにも重荷になっていた。だがそんなことも言っていられない。暗基は腹を決め、フランがいるはずの部屋へと歩いた。
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