彼と歓迎会・・・と黒い影
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マケンキの部室内がおかしな事になっているのに気がつく。
「ハル姉、ここって本当にマケンキの部室か?」
「そうだけど・・・」
「本棚のラインナップといい、奇妙なものが多数置いてある事といい・・・どう見ても漫研なんだが」
「・・・うっ」
他にも、ポスターや時代劇に出てきそうな小道具、挙句の果てには据え置きから携帯機を含めた、ゲームハード各種と対応したソフトまで置いてある。
海童の言うとおり誰がどう見て考えても、ここは学園の警邏を任された者達の部室では無く、漫画・アニメ好きな者達の部室にしか見えない。
そんな雑多な物が置いてある部屋の奥から、申し訳なさそうな表情を浮かべ、ファンタジー仕様の忍び装束を着た褐色肌の一人の女生徒が歩いてきた。
「Ohースマン! 驚かせてしもたな。本当は歓迎のしるしで、そこにあるくす玉割ろうとしたんやけどなぁ・・・ホント申し訳なかったってよ!」
ちらりと目線を上に向けると、確かにそこにはくす玉が吊るされていた。廊下からの会話を聞いて、部屋へ入ってくると同時に割ろうとしたのであろうが、狙いが外れたらしい。
すると、頭を掻きながら謝る彼女へ、本を読んでいた女子生徒が顔を上げて、呟く様な声で忍び装束の女子生徒へ注意した。
「違うよチャチャ・・・それをいうなら、申し訳なかったって『ばよ』! ・・・だよ?」
「おお、そやったそやった!」
納得したようにチャチャと呼ばれた女子生徒がポンと手を叩く。当然ながら手裏剣を投げた事を春恋が許す筈もなく、ビシッと指をさしてチャチャをカチューシャを付けた女子生徒とは違い、本当に注意する。
「チャチャ! 前から言っているでしょ部室で手裏剣を投げないでって! 何度言ったらわかるの!?」
「Oh、手裏剣はあかんのやったな・・・なら刀の練習を」
「刀もダメ!」
「ふ〜む・・・なら鍵爪の縄で―――」
「それも! ダメですっ!!」
「いけず〜」
やり取りからするにしょっちゅうここで練習しているようだ。だからこそ春恋は部室に入る前に、マケンキのメンバーの事に付いて教えようとしたのだろう。
手裏剣投げたりする人が居るから、変っているから気を付けて、と。
「フ、あと三十pばかりずれていれば眉間へ大当たりだったんじゃが・・・中々に惜しかったの」
「姫神さんも、ここで漫画読まないでって言っているのに・・・」
「いや、眉間がどうこうはスルーか? ハル姉」
「ひ、姫神先輩だ?」
「碓、お前はそろそろ自分で立て」
今の今までずっと海童にすがっていた碓を彼は無理矢理立たせた。碓も腰は回復していたので、コダマに会えた事による気力回復も合
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