第二十話 アクセルSIDE9
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残骸だけ。
涙を流すルインの肩に手を置き、エックスはゼロに視線を遣る。
ゼロもまた、どこか迷っているような顔をしている。
この先に居るであろう敵。
その正体に、エックスもゼロもルインもおおよその察しはついていた。
根拠などない、経験からの直感。
しかし、最も大切な存在を目の前で失った少年の心は、言葉では言い表せないほど深く傷付いているはず。
今の彼に、声をかけるということ自体憚られた。
アクセル「レッド…」
アクセルは悲しかった。
胸の奥から強い激情が胸を焦がす。
何故こんなことになってしまったのか?
何故死んでしまったのか?
胸が焼けるように熱いのに、声は出せず、喉に突っ掛かっている。
泣けば楽になれるかもしれない。
しかし戦士のプライドがそれを許さない。
どれほどの時間が経っただろうか。
ゼロは静かに口を開いた。
ゼロ「アクセル…俺には慰めの言葉すら見つからん…だが、俺達はここで立ち止まるわけにはいかない」
その言葉にルナはゼロに食いかかる。
ルナ「お前…っ、その言い方はないだろうがっ!!アクセルは…アクセルは目の前で育ての親を失ったんだぞ!!」
次にルナは俯いているエックスとルインを向く。
ルナ「今こんな状況で何が出来る!?どう考えたって一時撤退だろうがあ!!」
ルイン「………」
ルナ「何とか言えよおい!!」
叫ぶルナにエックスが彼女の肩に手を置いた。
エックス「…ルナ、大切な人を失うというのは身を斬られる程の苦しみだ…。それくらいは、俺にも分かる。」
ルイン「確かに今はアクセルを休ませてあげたい。レッドの残骸を回収して弔ってあげたい…でも、それで私達が満足しても意味がないんだよ。」
ゼロ「レッドアラートのリーダーであるレッドが倒れた今、クリムゾンパレスの頂上に向かうことは容易いだろう。いわばこれは俺達に訪れたチャンスでもある。」
ルナ「だ、だけどよ…」
アクセル「行こう」
ルナ「え…?」
アクセルを見遣ると儚い、けれど吹っ切れたような表情を見せていた。
アクセル「“センセイ”をやっつけなくちゃ…」
ルイン「…でも、少し休憩しようか……」
エックス「そう…だな」
3人は2人から少し離れた場所で休息を取る。
瓦礫の近くにいるのはアクセルと、アクセルとレッドの戦いを最後まで見届けたルナ。
ルナ「アクセル…本当にいいのか?せめて残骸の回収だけでも…」
アクセル「…いいんだ」
ルナ「アクセル…本当にいいのかよ…?レッドを…お前の大事な人をほったらかしにしていくんだぞ!!?」
アクセル「いいんだ…行かないと、“そんなことをしている暇があるならセンセイを倒して来い!!”ってレッドにどや
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