第二十話 アクセルSIDE9
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
ここに2人の戦士がいる。
バウンティハンターとした名を馳せた隻眼の戦士と彼を慕い続けた少年戦士。
互いを認めながら、彼等は戦う運命にあった。
そして…勝敗は決した。
膝をついているレッド。
致命傷はないようだが、動くことは出来そうにない。
銃口を向けるアクセルを、隻眼で見据えた。
レッド「…ハハッ……腕を上げたな……アクセル」
満足そうに呟いた時、エックス、ルイン、ゼロの3人が来た。
ルイン「アクセル、大丈夫!!?」
アクセル「大丈夫だよ。ルイン達はまだ来ないで!!」
エックス「?」
アクセル「前に教えてくれたよねレッド?残心を忘れるなってさ。」
レッドは薄く笑った。
アクセルは未だにバレットを下ろさない。
油断なくレッドを見据えていたが、突如宮殿が揺れて、ガラガラと破片が降る。
アクセル「え?」
ルナ「な、何だ?」
レッド「…あれが聞こえるだろう…ここは…長くは持たない……。俺に…万が一のことがあった時は……ここから下は……一緒に消えて…なくなるように……セットしておいたからな……」
途切れ途切れに言葉を紡ぐ彼。
アクセルは、眼を見開いた。
武器をしまい、差し出す。
ずっと、最初から銃を握ってきた、小さな左手を。
アクセル「嫌だ!レッドも行こう!!」
駆け寄ろうとして、後ろに引かれる。
振り返れば、ルナが、アクセルの右腕と左肩を掴んでいた。
アクセル「早く!まだ間に合う!!」
ルナ「駄目だ、急がねえと俺達も埋まっちまうぞ!!」
アクセル「でも、でも…っ」
落盤の響きが大きさを増していく。
絶体絶命。
しかしアクセルは手を伸ばすのを止めなかった。
小さな手で大切なものを掴もうとしている。
レッド「アクセル…その小娘の言う通りだ。先に行って待ってる…」
振り返った横顔は死への恐怖はなく、とても穏やかなものであった。
死神と恐れられた闘気も殺気もない。
あるのはアクセルへの深い優しさ。
レッド「いつでも来な…慌てなくてもいい…」
アクセル「レッド…」
レッド「小娘…」
ルナ「…………」
レッドの視線がルナに向けられる。
その表情はとても優しく、ルナはアクセルを捕まえながらも唇を噛み締めた。
レッド「アクセルを…頼んだ…」
アクセル「レッドオォォォォォォ!!!!」
アクセルの絶叫は天井に吸い込まれ、暗闇の中に消えていった。
静寂が訪れ、辺りは無惨な有様。
掘り起こしても多分、何も出ないだろう。
出るとしたらレッドを思わせる
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ