第六章 正義の在り処編
第百八十二話 『リオン、再び』
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であたし達を勧誘してこなかった。これはどういう事………?」
「うん。やっぱりティアは鋭いね。私もね、最初は勧誘しようとしたんだ。けど、なにも夢や希望もなかった私と比べて二人には立派な夢があった。
スバルは高町なのは一等空尉やシホ・E・S・高町一等空尉のように強く、そしてたくさんの人を助けられるような人になりたいっていう夢。
ティアは死んでいるかもしれないお兄さんの夢を継いで立派な執務官になるっていう夢。
私には、眩しかった。いや、眩しすぎた………。
だから私は二人の勧誘を諦めた………」
リオンの告白に二人は少し悲しい表情になる。
「リオン、夢や希望もないなんて、悲しいこと言わないでよ……。見つければいいじゃない?」
「無理なんだよ、スバル。私には、最初から、そして最高評議会のあいつ等を殺してからはもうそんな権利もないんだから」
「権利だなんて………ッ!」
スバルがそう叫んだ瞬間だった。
突如としてどこからともなく「ドォオオオン!」という爆発音が響いてくる。
「なに!?」
「爆発!?」
スバルとティアナの二人はそう叫ぶ。
そして同時に観客が次から次へと悲鳴を上げて逃げ出していく。
「リオン、これって!?」
「ああ、安心してティア。あれはただの空砲の音だから。私達の戦いには一般人は巻き込みたくないからね」
そしてリオンの言ったとおりに観客のほとんどはいつの間にか避難誘導でもされたのだろう、いなくなっていて残ったのはリオンとスバル、ティアナの三人だけになった。
「これで、思う存分戦える………」
そしてリオンはバリアジャケットを纏う。
その姿はあの深夜の時はあまり気にしていなかったので見られなかったが青を基調としたもので、上半身には黒いボロボロのフードを纏っていた。
その手には鍔の部分にリボルバーがある銀色のサーベル型のデバイスが握られていた。
デバイス名は『シルバー・ブレッド』。
それを握り、リオンは二人に向けて構える。
「いくよ」
「待って、リオン! あたし達はまだ!」
「スバル、今はあきらめなさい! 空砲とはいえ一般市民に危害を加えようとしたのは確かなんだからリオンを逮捕するわよ!」
「でも!」
「前にも言ったわよね!? 事情を聴くことなら捕まえた後にでもできるって!」
「あ、うん!」
「いくわよ!」
「「セットアップ!」」
そして二人は覚悟を決めてバリアジャケットを纏った。
「準備はいいね? いくよ!」
リオンはシルバー・ブレッドを構えて二人に疾駆してくる。
それをスバルが前衛、ティアナが後衛で構えて対抗する。
「リオン! きっと事情は聞き出すからね!? だから、今は!」
それでスバルはリボルバーナックルのタービンを回転させ
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