第六章 正義の在り処編
第百八十二話 『リオン、再び』
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燃えて、ティアナは得も知れない不安感に塗りつぶされないように心を強くしながらも、二人はお互いに明日のために鋭気を養うためにすぐに就寝についた。
◆◇―――――――――◇◆
そして、翌日。
つまり予告された日のこと。
スバルとティアナの二人は私服でありながらもお互いにデバイスは肌身離さずに持ち歩きパークロードに訪れていた。
シホ達は今頃どこかで待機しているのだろう、どこかで見守ってくれているという思いで二人は人がたくさん出歩いている中、真剣な表情で先を進んでいき指定された場所へと向かっていく。
そして到着したその場所にはこれまた私服姿のリオンの姿があった。
リオンの周りだけなぜか人が寄り付いてこないから実質大声でも上げない限りは三人の会話は観客達には聞こえることはないだろう。
「………」
そしてリオンは無表情でこちらへと振り向く。
それに思わずスバルは声を上げようとしたが、それを堪えてらしくないと思いながらも冷静な声で、
「リオン………」
「スバル、ティア………来てくれたんだね……」
「「ッ………!」」
リオンは声を発する。
しかしその音色は嬉しい半分悲しい半分のような感じであった。
そしてその瞳はかなりの具合で揺れていて、それを見た二人はまるで暗闇の中をさ迷う子供のように見えたという感想を思い一瞬言葉を詰まらせる。
でも、それではいけないとスバルは思い質問を投げかける。
「ねぇリオン、教えてほしいんだ」
「なにを………?」
「どうして、その、暗殺者なんかに………」
「どうして、か………」
それでリオンは顔を俯かせて表情に影を作らせて、
「簡単な答えだよ、それが私の唯一与えられた仕事だったから」
「なっ!」
それで黙って聞いていたティアナが思わずといった声を上げる。
それでもリオンは気にせずに話を続ける。
「少し、昔話でもしようか。私はある人からあのみんなで過ごした訓練校に“自分たちの配下にふさわしい戦士をさがす”という密命を受けていたの」
「自分たちの配下に………」
「ふさわしい戦士をさがす………?」
スバルとティアナはリオンの言葉に困惑の表情を浮かべる。
「そう。それが唯一与えられていた任務だったの」
「そんな………それじゃリオンは最初からあたし達を狙って接触してきたっていうの?」
「ううん………最初はだれでもよかったんだ。それがたまたまスバルとティアの二人だけだった………ただそれだけのこと」
「でもそれじゃおかしいんじゃない………?」
「ティア………?」
スバルの前に半歩出てきてティアが言う。
「それなら最初から最後まであたし達を勧誘して仲間に引き入れればよかったじゃない? なのにリオン、あなたは結局最後ま
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