二十八話 家(マンション)
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〜思い出の続き〜
「いたぞー!!」
街は大騒ぎになり、軍人はこちらに走って来ているのが分かる。
人が走り回って、混乱状態だった。
広翔の右手には鉄片が握られていた。
そして、そっと右手を突き出す。
(俺はなにがしたいのだろう…)
本当の目的から完全に遠ざかってしまっている。
もっと強く鉄片を握った。
ーー今は撃つしかない。ーー
頭の中はそれだけだった。
もう撃とうとした瞬間、
「まって!!!」
女、いや、女子の声が上がった。
!?
どこからか聞こえる声の元を探して顔を動かす。
街の混乱のせいでどこからか話しかけているのか分からない。
ーーこっちだよ、こっち、右。ーー
声がした。
今度は心の中から声がするような気がした。
(・・・テレパシー…)
また前後左右に振り向く。
右側を振り向くと、建物の間と間に影からこちらを呼んでる女の子が見えた。
自分と同年代くらいの女の子だった。
全力で招いている。
不思議だ、何故招くのだろうか、と思うより先に足を走らせた。彼女を信じるしかないようだ。
ーーー急いでーーー
また心のなかでそんな声がした。
テレパシーは昔から聞き慣れていたが、今は少し変な感じがする。
体の中で音が響いてる様だった。
彼女のところに到着すると、「こっち、」と言わんばかりに手を引っ張った。
「…?」
何故だろう、この子は状況を完璧に把握している様だった。
広翔は女の子に手を引っ張られて、走っている。
マンションとマンションのとても細い路地、ゴミ箱など置いてある。
とにかく女の子は足を走らせている。
びゅんびゅんと吹くビル風が涼しい。
一直線の道だが、とてもでじゃないけど長い路地だった。
やっと、路地をでた。
すると女の子は左右を見て、アパートの中に走り込んだ。
「…」
広翔はなにも言わずについて行った。
この子が何をしようとしているか全く読めない。
犯罪者というか、テロリストと思われているのに、手を引っ張って何をするのか。
でも大きな危険は全く感じない。この子の表情と行動からは邪念を感じなかった。
もう、軍からの目は遠ざけただろう。
手を握ったまま、エレベーターの中に入る。
、
「……ねぇ、」
いき
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