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アラガミになった訳だが……どうしよう
夫になった訳だが……どうしよう?
59話
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たのかを確認しようと考えたからだ。
「あ、マキナさん、おかえりなさい」
「ん?ああ、カノンか……服が変わったな、似合ってるじゃないか」
カノンは以前の服と違い、スカートの年相応の女性らしい服装に変わっていた。
「はい!!あれから色々考えまして、立ち止まってても何も変わらないなって思いまして、その決意表明みたいなものです。
あっ、マキナさんの事が嫌いになったとかじゃ全然無いですからね?」
「そりゃ良かった。……なぁ、一つ頼んでいいか?」
「はい、なんですか?」
「ジルとレオ……ああ、俺の義理の子供なんだが出来れば時々話をしてやったりしてくれないか?」
「マキナさんの?」
「ああ、ここでは詳しく言えないが、色々あって少なからず人間不信状態なんだ。今すぐって訳じゃないが、いずれは人とも付き合っていかなきゃならない」
「ああ、それで私がそれの訓練的にって事ですか?」
「そうだ、俺と違って元が人間なだけに、俺とイザナミじゃどうしようもないところがあるんだ」
「うーん……その二人が私でいいなら、私は構いませんよ」
「そうか、悪いな」
「いえいえ、私もマキナさんには色々してもらいましたから、気になさらないでください。それに子供と遊ぶのは私も好きですから」
「ありがとう、カノン」
「どういたしまして。あっ、私はこの後任務があるんでこの辺りで……それとまたウチに遊びに来てくださいね?」
「ああ、近々寄らせてもらうよ」
ふむ、元気そうで何よりだ。いつぞやは結構凹んでいたし、少なからず心配していたからな……しかも、それが俺の責任ともなれば尚更、な。いや、全面的に俺が悪いという……いや、やめよう言い訳はよくない。
「浮気ですか、お父様?」
後ろからそう声を掛けられ、振り返るとそこには大きめのポンチョを着てアラガミの腕を隠したジルが立っていた。なるほど、それなら取り敢えずは隠せていられるな。
「あれを浮気に見えるなら眼科に行くことをお勧めするぞ、ジル」
「冗談ですよ、あの方が台場カノンさんですか?」
「ああ、そうだ」
「へー……いい人じゃないですか」
「だろ?」
「あのような女性に好意を寄せられるなんて男冥利につきますね」
「世間一般はそうだろうが、年齢やら立場的にも複雑過ぎる感覚だぞ?」
「ほう?」
「言うなれば、幼い頃の娘のお父さんのお嫁さんになる発言を、そのまま一定の年齢以降も言われるような感覚だ」
「……その例えを娘の私に聞かせてどうするつもりなんですか?」
「お前は相変わらずだな……」
「人はそうそう変わらないものなんですよ?」
「やかましい。で、何しに来たんだ?」
一応隠しているとはいえ、その腕を見られたりすると厄介な事になるだろうに。しかも、こんな人の多いところというのはよろしくない。

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