58章 信也、バーチャルな下北音楽学校の講師をする
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として活躍中の、
レコード大賞の作曲賞も受賞者で、ギターリストの沢秀人である。
その特別公開授業の会場は、下北沢南口から歩いて4分の、
北沢ホールの3階にある定員72名のミーティングルームであった。
ミーティングルームは、女子中学生や女子高生、10代から20代の男子たちや、
大学生や社会人の男女と、幅広い層で、満席となった。モリカワの森川誠や
エターナルの新井竜太郎の姿もある。清原美樹たち、グレイス・ガールズや
信也のバンドのクラッシュ・ビートのメンバーも後ろの席に集まっている。
「きょうは、下北音楽学校の記念すべき第1回目の公開授業ということで、
ぼく自身、かなり、緊張しているんですけど。あっはは」
自らの緊張をときほぐそうとして、信也は、わらって、少し間を開けた。
「きょうは、こんなにおおぜいの中学生、高校生、大学生や社会人の方が
集まってくれるとは思っていませんでした。
ソーシャル・メディアというか、インターネットの威力ってスゴイですよね。
また、きょうの授業は、生中継で、いま、動画で公開しいるわけです。
まあ、ね、楽しく、みんなで、音楽を学んで行こうよ!
そして、楽しく音楽をやっていこうよ!っていうのが、
下北音楽学校の目的なんですから。高い志を持って、楽しくやってゆきましょう!」
演台に立つ川口信也は、深呼吸して落ち着くと、
最前列に座っている女子高生とかを、余裕の笑みで眺めながら、
ワイヤレスマイクを持って、そんな話をする。
「きょうの、ぼくの話は、世界一の楽器についてのお話です。
世界一の楽器って、なんだと思います?」
「人の声だと思います!」
信也にそう問われた、最前列の女子高生が、ちょっと高いかわいい声で、
そう答える。その子はどこかオトナびていて、パープル系のポップカラーの
アイメークをしていて、微笑んで、信也を見つめる。
「そうなんです、正解です。きょうの授業のタイトルが、『高い声を出す方法』
なんですから、世界一の楽器って、人の声だってことは、わかりやすいですよね!」
会場は、わらい声につつまれる。
「歌が上手に歌えないっていうことで、悩んでいる人って、
たくさんいるんですよね。ぼく自身がそうだったんですから」
信也がそういうと、「ウソだぁ」と前列の女子中学生がいったり、彼女たちの
わらい声で、会場はざわつく。
「流行っているポップスやロックのほとんどは、みーんな音域が高いですから、
それらを歌いたくても、歌えないというのは、非常に絶望的なくらい、辛いものです。
このことって、歌うことが大好きな、みなさんや、ぼくにとっては、大問題ですよね」
「
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