第196話 『極悪十祭』
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王国兵に向かって頭を下げると、立ち入り禁止の場所へ向かって走り出した。
ショ「(マヤは大魔闘演舞に出場したのも、ドムス・フラウに来たのも今年が人生初。なのに何でドムス・フラウの立ち入り禁止の場所を知っているんだ?それにマヤが、ドムス・フラウの立ち入り禁止の場所に何の用があるんだ?)」
走りながらショールの頭は高速回転し始めた。高速回転し始めたショールの頭は止まらない。
勘が鋭いグレイではないが、高速回転し始めたショールの頭が考えた事は、経験上99,9%の確立で当たる。「お前の頭は未来探知機か何かか?」と以前エルザに言われたくらいだ。
残りの0,1%は、ショールが寝不足だったりしている時だ。だが、今のショールはバッチリ目が覚めている。今のショールの頭は、100%冴えているという事だ。
ショ「(嫌な予感がする・・・!)」
100%冴えている頭で考えたショールの予感・・・
当たる確立も、100%だ。
しばらく走り続けていると、通路の先は行き止まりになっており、壁に鉄製の扉があった。
ショ「あそこだ!」
もう体力も限界を超えているというのに、ショールはスピードを上げた。
扉まで後僅かという所まで来たとき、扉の前にどこからともなく1人の少女が現れた。
ショ「うわぁっ!」
ショールはその少女と正面衝突しそうになったので、慌てて急ブレーキを掛けた。
慌てふためいているショールとは裏腹に、突如現れたその少女はにこやかに微笑んでいる。
ショ「スミマセン、そこを退いてもらえないですか?」
すぐに冷静を取り戻したショールは未だにこやかに微笑んでいる少女に向かって言葉を放つ。急いでいるせいか、ショールが放った言葉には小さな棘が刺さっているようにも感じる。
だが、ショールの棘のある言葉に少女は一切怯まない。それどころか、扉の前から退けようともしない。
少々苛立ったショールは、少女の後ろにある扉のドアノブに手を掛けた。
ショ「失礼します。」
一言少女に言い残しドアノブを捻ったその時―――、
?「『極悪十祭』・・・」
ショ「!」
ショールの耳元で、少女が鈴の音色のような小さな声で囁いた。
驚いたショールはドアノブから手を離し少女から遠ざかった。それでも少女はショールにゆっくりと近づく。ショールも少女が近づいてくるのと同時に1歩1歩後ずさる。
近づいては離れ、近づいては離れ―――――。そんな事を繰り返しているうちに、ショールの背中が壁にぶつかった。
ショ「!」
これ以上ショールは後ろに下がれない。だが、少女はまだショールに近づける。逃げ場を無くしたショールは少女から顔を逸らし目をギュッ!と瞑った。
?「ふぅ・・・」
少女が息を吐く音が聞こえ、ショールは恐る恐
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