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ソードアート・オンライン 神速の人狼
逃亡
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動しているだろうが見つかるわけがない。《隠蔽》はコンプリートし、全身を覆うローブはスキルに補正をかけ、さらには《人狼》によっても補正がかけられているため、よっぽどの事がない限り見つからない。

「よりにもよって、黒の剣士様かよ……。めんどうだなぁ」

 はぁ〜と盛大にため息をつくとゲートを潜り、次のエリアへと移動し始める。

 ゲートを潜ると赤と白で色付けされた騎士風の装備を身につけた血盟騎士団の一団がさながら軍団のように並んで進んでいた。隠蔽がしっかり発動されている事を再確認すると、その一団の横をさっさと通り過ぎようとする……が。

「あれ?今、誰か通ったような……。」

「っ!?」

 血盟騎士団副団長のアスナが何気なく発した言葉により、ユーリに緊張が走る。隠蔽率を確認すると9割以上を保っているはずがすでに2割ほど減少していた。お願いだから、バレるなよなと祈りつつ、背中に冷や汗がダラダラと流れる。
 アスナは辺りをキョロキョロと見回していたが、ユーリはすでに列を追い越して次のゲートを潜ろうとしていた。


 ◆

 今日も平常通り迷宮区の探索を続け、そろそろ終わりにして帰ろと思っていた矢先、ふと人の気配を感じ、周りの見回す。

「き、気のせいかな?けど、確かに今、人が……。」

「副団長、どうかなされましたか」

 急にうろうろしだす私を見て、心配になったのか団員の1人が声をかけてくる。とりあえず、大丈夫とだけ言っておく。喉に小骨が引っかかるような違和感を残していると後方から全身黒に統一されたプレイヤーが物凄い速さで駆けて来る。異常事態と判断した団員達が即座に戦闘態勢を取り、真っ黒黒助へと武器を突きつける。

「ストップストップ!この人、知り合いだから大丈夫」

 私の言葉を聞き、首元へと突きつけた武器を下ろしたのを確認し、ひとまず安堵する。

「ふぅ〜……酷い目にあったぜ」

 あ、そうだこの人ならと思い、尋ねる。

「ところで君。今、索敵スキルどの辺?」

「それなら、この前、完全習得したぞ」

 攻略組でのソロプレイヤー(変わり者)である彼ーキリトーは得意気にニヤリと笑う。

「なら、今すぐ使って付近にプレイヤー……。多分、ソロの人がいないか確認して!今すぐ!」

「い、イエッサー!」

 アスナに鬼の形相で急かされ、確認する。しかしこの場にいるプレイヤーを除いて、プレイヤーどころか、モンスターの反応すら見られない。

「いないな。ところで、どうしたんだ?」

今更ながらにキリトがアスナへと疑問をぶつける。

「それがね、人が側を通った気がしたのよ。けど、周りに誰もいなくて。だから、私よりも熟練度の高い隠蔽が使用されていると思ったからあなたに頼んだ
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