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滅ぼせし“振動”の力を持って
彼の失敗
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「はぁ・・・楽できるからとこの部に入ったんじゃがの・・・如何やら楽出来そうもないな」
「え? コ、コダマ先輩もマケンキのメンバーなんですか!?」
「そうじゃ」
「うわぁ・・・よし決めた、俺も入ろ!!」
「幾分か不純な理由だな、オイ」



 では早速校門前へ・・・と、歩き出した一同とは逆の方向へ海童は歩いて行く。



「あれ? 海童様は行かないんですか?」
「おう、ちょっと野暮用があってな・・・一人にさせてくれ」
「あ・・・はい! 分かりました!」



 食い下がらず素直にうなずいたイナホを見送り、海同派野望用を済ませる為歩き出した。・・・先程見送る際に、うるちが勝ち誇っている様な顔をしていたのが気に障ったが、気にしても仕方が無いと頭を振った。



 海童が向かった先、それは校門以外の出入り口から行ける、学園近くのちょっと開けた場所だった。

 当然の事ながら誰もおらず、背の高い草や近くに木々もあり、海童の姿すら見づらい。



「さてと・・・やるとするか」



 ガツンと拳を撃ちつけて、海童は静かに深呼吸を繰り返した。
















 所変わって校門前。


 数多の生徒が集まって賑わい、集団はちょうど円になる様な形をを作っており、その中心に決闘を行うべき立っている二人が居た。



「ほ、ほんとうだな? オイが勝ったなら恋人になってくれるゆうんは・・・」
「ああ、私に勝てたらな。けどソッチが負けたなら金輪際近づくなよ?」



 片方は番長とでも呼べそうなスタイルの、切り込みの入り穴のあいた帽子をかぶっている大きな体躯を持つ男子生徒。
 もう片方は、入学式でガレット相手に勝利したが、ちょっとした隠しごとがばれてしまった、魔腱使いのアズキだった。



「全く・・・またですかアズキさん」
「お、副会長。まあいいじゃねぇか、下級生の面倒見るのも上級生の役目だろ」
「それじゃあ、お願いします」
「うむ・・・両者賭ける(モノ)は決まっておるな?」

「オス!」
「ああ!」



 両者の合意を確認して、コダマは一歩前に出て片手を軽く前に出した。



「ではこれより決闘の儀を執り行う。―――――ここに対なす二つの流れ、二つの道は交わらん。己が道を開く為、己が証を立てる為、魂賭して天日に示せ。・・・日の子の道を!」
「「天に(きざ)んで!!」」



 言葉と共に拳をぶつけあわせ、男子生徒とアズキは距離を取った。途端、男子生徒は驚愕の声を上げる。


「構えもとっとらんだと!?」
「私が本気出したらすぐ終わっちまうし、新入生に気張ってても
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