彼の失敗
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か、ソフトクリームを食べ終わるのを待ってから、質問を切り出した。
「前から聞きたかったんだが・・・」
「なんです?」
「お前は、俺を守るだの許嫁だの言っていたが・・・何処かで会ったのか?」
「・・・覚えて、いないんですか?」
「・・・?」
淋しそうな表情をし、次いで顔を伏せたイナホを見て疑問に思った海童は、必死に自分の記憶を探るがやはり出て来ない。
そんな海童へ、イナホは顔を上げると先程とは一転し、ちょっと濃悪魔的な笑みを浮かべた。
「なら・・・思い出すまで秘密です?」
「・・・はい?」
「ちゃんと思いだしてくださいね、海童様」
過去に何かあったのは間違いない・・・しかし何があったか思い出せない。
必死に首を捻って考える彼は、頬に当てられた布の感触で顔を上げた。そこには、包を二つ持った春恋が立っていた。
「・・・ハル姉か」
「ほら、お弁当。慌ただしかったから、今朝忘れて行ったでしょ。しかも二人とも」
「あはは、すいませんハルコ先輩」
「すまん」
「ところで、二人は如何して・・・あれ?」
と、地面に落ちた部活動の新入生募集広告が、春恋の眼にはいる。それから弁当を食べながら、海童とイナホの二人は入る部活が決まらないという現状を伝えた。
「ふ〜ん部活かぁ・・・でも確かに、身体能力アップするけど気絶しちゃうマケンと、マケンでも無い破壊力抜群の謎の力じゃ、どの部活にも入りきれないよね」
「ああ、身体能力だけじゃ限界があるし、エレメントの授業もまださわりだけ・・・だからどうも決まらなくてな」
海童の言葉を受けて暫く考えていた春恋は、はっと何かを思い出したように口に当てていた指を放し、海童の方を向く。
「なら、検警部なんてのはどうかな」
「けんけいぶ、ですか?」
「聞いた事無いが・・・どんな部活なんだ?」
「簡単に言うと天日の警邏部隊みたいなものだけど・・・それだけじゃ分かりにくいだろうし、もうちょっと詳しく説明するわ」
一つ咳払いをして切り替えてから、春恋は指を立てて説明を開始した。
「天日学園には統生会っていって、事件や事故の解決に奮闘する人達が集まる会があるんだけど・・・もう知っての通り、トラブルが多いから統生会では対処しきれない事態が起きる事もあるの。それをサポートするのが検警部ってところかな。一応、魔導執行部っていう統生会を補佐する役割を持つ部もあるから、それの補佐も活動に含まれているの」
ちらと海童が横を見ると、イナホが説明に付いていけないのか眼を回しているのが目に入った。
大丈夫なんだろうかと思いつつも、まだ説明は終わっていないので一旦目
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