マクロスF
0765話
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バジュラの本星が発見されたと知らされた翌日。俺の姿は当然と言うべきかS.M.Sにあった。
時間は午前10時過ぎ。現在は訓練場でアルトと近接戦闘の訓練をしており、ミハエルやルカ、クランとその部下2人。……そしてシェリルもそんな訓練の様子を見ている。
何故シェリルがS.M.Sにいるのかと言えば、もしバジュラ本星との戦いになった時に自分も戦闘に出るのだから大統領の決断を聞く権利があるとか。……後、ついでに俺の恋人という立場上って事らしい。
いやまぁ、そう言った時のシェリルの頬が薄らと赤かったのを考えれば、それが照れ隠しだというのは分かるんだけどな。
「アクセル、考え事とか俺を甘く見すぎじゃ無いか!?」
鋭く叫びながら畳を蹴って間合いを詰めてくるアルトだが……そのまま振るわれた拳を数cmだけ顔を動かして回避し、同時に伸びきった拳が引き戻される前にそっと触れ……
「うわあああああっ!」
次の瞬間には力の流れを俺の腕によってコントロールされて、そのまま空中へと放り投げられる。っと、ちょっと勢いが強すぎたな。
アルトの落下地点へと瞬動で移動し、そのまま空中を飛んで落ちてくるアルトの身体を回転させ、衝撃を吸収してやりながら床へと尻餅をつかせる。
勿論尾てい骨を畳に打ったんだから相応に痛みは伴うだろうが、致命的とも言えるような怪我の類はしていない。
畳の上で踞って尾てい骨を打った痛みに耐えているアルトへと、足の先端でからかうようにチョンチョンと軽く蹴る。
「ほら、どうする? 終わるか?」
その、からかうような仕草と言葉がアルトにとっては許せなかったのだろう。そのまま立ち上がり、再び俺と向かい合う。
……何故かアルトは俺にライバル心を抱いているらしく、よくこうして訓練という名の模擬戦を挑まれる。それは俺が混沌精霊であると知ってからも変わらず……いや、以前よりもその頻度が多くなった程だ。
正直な話、今の俺に生身で勝つというのはこの世界の人間にとって不可能なんだが。
だが、それでも俺へと攻撃を仕掛けて来る向上心と、諦めない心というのは認めてやってもいい。
頭部に攻撃をしても回避されるだけだと悟ったのか、次にアルトが狙ってきたのは腹部。確かに胴体であれば攻撃の命中率は高いだろう。……それが普通の人間なら、だが。
胴体を目掛けて正拳突きを放つアルト。ここで迂闊に蹴りを放たないというのは褒めてもいい。同じ程度の実力であればまだしも、俺とアルト程に実力が離れていれば蹴りというのは隙を作る大振りな攻撃でしかないのだから。
胴体は身体の中心部にある為に回避しにくいのは事実だが、それでも俺とアルトでは体感している速度に差がありすぎた。
アルトが放った拳が俺の胴体へと命中する直前、右半身を後ろに引いてア
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