第五話 別れの暗示
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2099年、多忙な中学生活も一年経ち、颯と遥華は中学二年生になった。
「なあ?颯。今日、お前放課後空いてるか?」
親友の隼人が問いかける。
「あぁ、今日は特に予定は無いがどうしたんだ?」
と颯は言う。
「実は中間も近いし皆で図書室で勉強会しようって話なんだ。お前に皆の先生をやって欲しい。」
隼人の問いかけに対して颯は
「おう、別にいいが。ところでなんだが、図書室じゃなくて俺の家でしないか?」
と言った。
「マジか!それはいいな!おーい皆ー、颯が家解放するってよ!勉強会は颯の家でいいよな?」
隼人の呼びかけに皆が賛同する。
そして一行は学校のすぐ近くにある高層マンションのロビーに着きエレベーターに乗った。
最上階の78階で扉が開いた。
「うわ!マジか!颯の家ってこの高層マンションの最上階かよ!お前の親、何の仕事やってんだ?」
友達の圭人の質問に戸惑いながら
「ん…何やってんだろうな?俺にもわからんわ。」
と答えた。
颯は産まれながら親元を離れている。現在両親の詳細は不明だ。一応嘘はついてない。
そうこうしているうちに一行は颯の自宅前に辿り着いた。
「ただいまー。お、今日は早かったな、遥華。」
まず隼人が挨拶をする。
「おじゃましまーす。颯君のクラスメイトの…」
隼人は突然何かに気付いたように絶句した。
「しまった…」
と颯が唸る。
皆も気付きその場がしばらく静まり返る。
「な、なんで黒羽さんが平然と颯の家で寛いでるんですか?」
沈黙を破ったのは友達の圭人だった。
質問に対して遥華は
「平然も何もここは私の自宅だ。颯の自宅でもあるが、それが何か問題でも?」
と焦るそぶりを全く見せない。というより気にもとめてない。
「遊びに来てくれて申し訳ないんだけど散らかっててごめんね。私は自分の部屋にいるわ、リビングは好きに使ってくれて構わないから。」
と遥華は言い自分の部屋に入った。
「よし…皆、わからない所あったら言ってくれ。」
颯はその場の空気を変えようとする。しかし隼人は
「いや…その…説明をしてもらいたいんだが…」
と問う。
問いかけに対して颯は
「まあ、いろいろ訳あって遥華とは同居している。そ、そう!親同士の関係とかもあって…うん。」
と答える。
「まあ、あまり追及はしないでおこう。いやー、それにしても黒羽さんと颯の仲は噂にはなっていたが同居までしていたとは…颯、お前また妬まれるネタ作っちまったな。」
と友達の優樹が言った。
友達達がよく言う「皆が俺を妬むネタ」と言うのは主に三つだ。
一つ目は並外れた運動神経。
二つ目は学年トップを争う程の成績。
三つ目は男子達から高嶺の花ならぬ「高嶺の遥華」と呼ばれている遥華と仲が非常に良いことだ。
これに同居までしているとなれば暴動にま
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