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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
神意の祭典篇
40.神意の祭典
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からん。まだどこにいるかまではつかめてはいない」
古城は苦悶するように低くうめいた。
だが、と那月が話を続ける。
「だいたいは目星がついている」
つまり那月は古城と雪菜を迎えに来たということは、彩斗と友妃を止めにいくということだ。
「それなら早く行こうぜ、那月ちゃん」
那月は古城を睨みつけたのちに口を開いた。
「話は最後まで聞け! その場所だけでも幾つもある」
「そんな……」
古城は一刻も早く向かわなければならない。
「先輩……」
雪菜が心配そうに古城のパーカーの裾を掴む。
「だからそう慌てるな。おまえたち以外にも動いてるやつらはいる」
那月が指を鳴らし、目の前に空間を波紋のように揺らした。空間跳躍の門を開いたのだ。
「行くぞ、暁古城、転校生」
門をくぐり、虚空に溶け込むように三人は消え去った。
絃神島十三号
増設人工島
(
サブフロート
)
──
かつて黒死皇派と死闘を繰り広げた場所である。そこには幾つもの破壊の痕跡が色濃く残っている。
地上に空いた大穴。巨大な瓦礫が散乱し、
古代兵器
(
ナラクヴェーラ
)
が子機がその場にもともとあったような建造物のように置かれている。
それは遠い昔の出来事のように思えてくるがつい二ヶ月前くらいの出来事なのだ。
そんな感傷に浸るためにここに来たわけではなかった。彩斗は金髪の吸血鬼と決着をつけるためにここに来たのだ。
目を瞑る。すると辺りの音が鮮明に鼓膜へと伝導する。音一つしない十三号
増設人工島
(
サブフロート
)
では風の音がやけに大きく聞こえてくる。
瓦礫がわずかに崩れる音に彩斗は目を開ける。
漆黒の闇の中に浮かび上がる二つの影。金色の髪が闇夜でも鮮やかに浮かび上がる吸血鬼の少年と茶髪の吸血鬼さえも倒せる武術家の少女。
「まさかテメェの方から俺を誘き出すとは思わなかったぜ、緒河彩斗」
「そう意外なことでもねぇだろ、立上」
立上と呼ばれた少年が満足げに笑みを浮かべる。
「ほう……俺の名前まで思い出すことができたみたいだな」
「まぁな。テメェのことなんか思い出したくなかったがな」
彩斗は立上に彩海学園中等部宿泊研修で会ってから少しづつではあったが“
神意の暁
(
オリスブラッド
)
”に関する記憶が戻りつつあった。
「それなら俺の目的もわかるよな?」
「……だからここにいんだろうが」
彩斗は自らの唇を噛み切る。唇から鮮血が染み出し、口内へと流れ込んでいく。その行為は人間の身体を捨て、吸血鬼へと変化する合図でもあった。
瞳が真紅に染まり上がり、筋力が解放される。
「それじゃあ始めようか。神々が集いし、人ならざる者たちの祭典の続きを
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