後日談
第139話 vsイナゴ怪人! 「仲間っていうのはね」
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なよ、リーダー」
皮肉を込めて「あの時」のように呼べば、戒斗は軽く不機嫌さを表しただけで言い返さなかった。
城乃内は一歩前に出て、マツボックリの錠前を開錠した。
――量産型ドライバーとマツボックリロックシード。貴虎が有事のために隠し持っていた、本当に最後の一台を、無理を言って借りてきた。
(俺にこんなこと言う資格がないのは分かってる。けど、言わせて。――一緒に戦って? 初瀬ちゃん)
「変身!」
《 マツボックリアームズ 一撃・イン・ザ・シャドウ 》
グリドン――否、黒影は、変身するなり、すぐさま影松を揮ってイナゴ怪人に立ち向かった。
一撃目、当たる。二撃目、当たる。
しかしそこで怒ったイナゴ怪人が黒影に反撃を開始した。
イナゴ怪人は影松を受け止め、黒影の手から奪った。その影松で、イナゴ怪人は黒影に斬りつけた。
転がった黒影を、イナゴ怪人が振り下ろす影松が襲う――寸前、横ざまに紫の光弾が、連続してイナゴ怪人を撃ち抜いた。イナゴ怪人は紫の弾幕に負け、影松を落として、黒影から離れていった。
『ミッチっ』
『大丈夫? 城乃内さん』
本来ならここにいてはいけない龍玄が、黒影を救った張本人だった。
『お前、まだケガっ』
『うん。治ってないけど、じっとしてるなんてできませんよ』
龍玄は影松を拾うと、黒影に投げ渡した。
『仲間は助け合うもの、なんでしょ?』
独りで戦わねばならないとずっと思ってきた光実が、こんなことを言えるようになった。
人は変われる。まったく、室井咲の言う通りだ。
『――今さら気づくなっつーの!』
黒影と龍玄は同時に、戻ってきたイナゴ怪人に回し蹴りを叩き込んだ。
『カッコつけましたけど、多分次の一撃が限界。いいですか?』
『ああ。一発で決めてやろう』
イナゴ怪人が離れた隙に、カッティングブレードを切る。
《 マツボックリスカッシュ 》
《 ブドウスカッシュ 》
黒影と龍玄は同時に高くジャンプした。
『『セイ、ハー!!』』
黒と紫、それぞれのエネルギー波を帯びたライダーキックが、イナゴ怪人に直撃した。
黒影と龍玄が再び着地した。
彼らの後ろで、イナゴ怪人は倒れ、爆発した。
城乃内と光実は互いを見合い、変身を解いた。
ハイタッチの音が軽やかに鳴り渡った。
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